パラパラとめくっていくとみんなが青い背景で個人写真を撮る中、一人だけ別の写真から切り抜かれたような不自然な写真が一枚あった。

名前を確認せずとも、ここ最近書類で何度も確認した笑顔だ。


「失踪したのは中学二年の時でしたよね。陽太くんも卒業生に含まれてたんですね」

「当時の校長の計らいでね」


ひとつ頷いた祥吾先生は自分の元にアルバムを引き寄せて、とあるページを開く。校長先生が校長になる前の今よりも少し若い写真が右上にあり、その下に学生たちの写真が並ぶ。

祥吾先生は校長を指さした後、続けざまに三人男子学生を指さす。


「その四人は?」


恵衣くんの問いかけに、バツが悪そうに顔を顰め俯く。


「当時、中心になって辰巳をいじめていた奴らだよ」


なんとなく訳ありなのは感じていた。何かがあるのだとは思っていたけれど、いざ悪意を目の当たりにすると、どうしようもない怒りが込み上げてくる。

それがいじめというのならなおさらだ。

私たちの仲間は、それで傷付き長い間苦しんでいた。


「念の為聞きますが、祥吾先生は加担していましたか」


聖仁さんの静かな問いかけに、祥吾先生は表情を曇らせる。


「……見て見ぬふりが同罪って言うなら、僕も加担していたと言えるね」


祥吾先生はいじめの存在を知っていて、黙って見ていた一人なんだ。