駅前にあったファストフード店でポテトをつまみながら待っていると、18時半頃になって田口先生が小走りで店内に入ってきた。
「あれ! たぐっちゃん!?」
「ほんとじゃん! センセーもポテト食べに来たとか?」
自分たちよりも入口側に近い席に座っていた学生らしき男の子たちの団体が、田口先生の姿を見つけて嬉しそうに声を上げる。
「たぐっちゃんポテト奢って! 一緒に食べよーぜ!」
「先生待ち合わせだから。暗くなる前に帰りなさいよ」
「ちぇー。わかってるよぉ」
男子高校生たちは先生に手を振りすぐに雑談を再開する。やれやれと首を振った田口先生は小走りで私たちに駆け寄ってきた。
「ごめん、ちょっと残業で長引いちゃって」
「いえ。僕らもお腹すいてたんでちょうど良かったです」
聖仁さんの言葉にほっと息を吐き頬を緩ませた田口先生。
「場所移動していいかな? ここから車で15分くらいのところに僕が住んでるアパートがあるんだ。タクシー代は出すから。ここじゃちょっと」
田口先生は先程話しかけてきた男子学生たちの座るテーブル席にチラリと視線を送った。
他の学生には聞かせられない話、ということか。
もちろん捜査に協力して貰えるなら、断る理由もない。
「わかりました。よろしくお願いします」



