部屋に気まずい空気が流れる。 「あのおっちゃん、最後まで"タツキ"だったな」 泰紀くんのつぶやきが一層沈黙を気まずくさせた。 「……あの」 ずっと黙って隣に座っていた田口先生がおもむろに頭を上げて口を開いた。 「君たち、18時まで外で待ってられるかな」 声を潜めて、校長先生が出ていった扉を気にする素振りでそういう。 私たちはお互いに顔を見合わせる。 「ここでは話せない話があるんだ」