暇さえあれば連絡を取りあって休みの日は二人で出かけている姿をよく見かける。良好な関係が続いているようで何よりだ。
「うちの瑞祥あんまり虐めないで」
そんな言葉と共につい数秒前に見た写真のバックハグと同じ光景が繰り広げられ、片方の唇を釣り上げて亀世さんは呆れたように息を吐く。
瑞祥さん肩に顎を乗せた聖仁さんは流れるような動作でお腹に手を回し「瑞祥大丈夫?」と彼女に顔を寄せた。
瑞祥さんは金魚のように口をパクパクと動かし、驚きと羞恥で固まった。
それにしても聖仁さん、サラッと「うちの瑞祥」って言ったな。
「人前でイチャつくなよバカップル。後輩の教育に悪いだろ〜」
亀世さんと全く同じ顔で歩み寄ってきた鶴吉さん、ヘッドロックのように腕を回された来光くんが小脇に抱えられている。「アンタが言うなぁッ!」と言う反論は果たして届いているのやら。
「そろそろ再開しようか。日が落ちるのも早いからね、サクサク進めよう」
「お前が一番、言動一致してねぇぞ。まず膝の上に瑞祥を乗せるのをやめろ」
首元に顔を埋めてすんすんと匂いを嗅ぐ聖仁さんにまともに突っ込めるのは鶴吉さんくらいだろう。
前々から密かに思っていたけれど、聖仁さんってかなりむっつりスケベな気がする。
あの優顔で凄まれたら泣いてしまいそうなので、口が裂けても言わないけれど。



