「お前ああいうちっこいやつ集めてるんだろ」
恵衣くんが顎で示した先に、店先に雑貨や小物を並べた梅色の暖簾の店がある。実は時間があったら行こうと考えていた、気になっていた雑貨屋さんだ。
それにしても私が小物集めが好きだってこと、恵衣くんにバレていたとは。
「どうなんだよ。行くのか、行かないのか」
「い、行きます! 行きたいです!」
痺れを切らした恵衣くんに慌てて手を挙げた。
じゃあ行くぞ、と歩き出した恵衣くんの背中を見つめる。
もしかして、さっき私が怒ったことを気にして機嫌を取ろうとしてる、とか……?
そんなことできるような器用な人じゃないか、と失礼極まりないことを考えて小さく笑い、隣にならんで歩き出した。



