電信柱の裏側や側溝の影、影という影に呪が渦巻いている。

信号のない二車線の道路に、トタン壁の二階建て住居、営業のしていない商店。どこか寂れた印象のある住宅街は渦巻く残穢の暗紫色でより一層寂しく薄暗い印象を与えた。


「とりあえずスタートは陽太くんの実家だね。周りの景色を確認しつつ、住所の場所へ向かおう」


はーい、とみんなの声が揃った。