本庁の意向で今回の神社実習は、一二年生のチームに三年生が一、二名混じって編成されることになった。
私たち二年も半分に分けられて、嘉正くんと来光くんが別班に配置された。実習先へ向かう日に「三学期が終わるまで会えなくなるね」なんて話をしたのが数日前、まさかこんなにも早く再会するとは思っていなかった。
「俺らは任務なんだよ」
休憩がてら小川のそばで丸くなって座った私たち。
「任務? 嘉正たちも陽太くん事件やってんのか?」
「陽太くん? 誰それ。俺らは空亡捜索チームに参加してて、今日は出現時の山の探索に来たんだよ」
たしか瑞祥さんチームが指定された実習先は中部地方にあるお社だ。
何となく聞いたことがあるだなぁとあの時は思っていたけれど、なるほど、空亡捜索の本部があるお社だったのか。
かむくらの屯所で神職さまたちが何度もその名前を呟いていたので記憶に残っていたのか。
「聖仁たちは?」
「俺達も任務できたんだ。こっちは行方不明事件の再捜査」
「そっか! こんな偶然あるんだなぁ!」
「ほんとにねぇ」
和やかに会話する先輩二人に、私たち後輩は気まずさでそっと目を逸らす。
「おいお前ら、久しぶりに会えたからって後輩の前で堂々とイチャつくな」
呆れたように息を吐いた鶴吉さん。
どこか言い慣れたその台詞に、三年生たちの中では日常と化した光景だと言うことが聞いて取れた。



