二時間くらい車を走らせ、山道を登り始めて5分くらいしたところで神職さまは車を停車した。どうしたんだろう?と皆が腰を浮かせる。

フロントガラスの向こうに「ここから先立ち入り禁止」と書かれた看板が立てられているのが見えた。


「ここからは道が荒れていて車では進めないんだ。悪いが上までは歩いてい行ってくれ。日没まであと三時間だから、それまでには必ずここに戻ってくるんだぞ」

「神職さまは一緒に行かないんですか?」

「はぁ……俺はお前たちの送迎ついでに解呪の任務を任されたんだよ」


それはそれは面倒くさそうにため息をこぼす神職さま。

おおかた、「なんだお前あっちの方面に行くのか、じゃあこれもついでに頼む」みたいなお使いを頼むノリで任務を任されたのだろう。

お疲れ様です、とみんなで深々と頭を下げる。

車を降りると乾いた枯葉の匂いが風に乗って私の頬を撫でた。

山道を見上げる。ちゃんと舗装された道路だけれど、長年放置されていたのかひび割れや積もった落ち葉が目立つ。


「さぁ、時間もないしサクサク登ろうか」


ちぎれかけたロープをくぐった聖仁さんに続き、私達も足を踏み入れた。