言祝ぎの子 漆 ー国立神役修詞高等学校ー


禰宜頭は資料の山に視線を落とした。

過去の事件を洗い出すって、まさかこの大量の資料の山に全部目を通せってこと?


『他にも頼むかもしれないが、当面はこれだけに集中してくれ。分からないことは権宮司を捕まえて聞くといい。それじゃあよろしく頼む』


パタンとしまった扉。資料の山と皆の顔を見比べる。

そうしてこの地獄のような洗い出し作業が開始したというわけだ。