はいはい、喧嘩しないよ。 すかさず聖仁さんが怒りに震える恵衣くんを宥め、何処吹く風な泰紀くんに軽いげんこつを落とす。 あっさり口を閉じた二人に、思わず小さく拍手を送る。 とんでもない実習になりそうな予感がしていたけれど、聖仁さんがいればこの二ヶ月間もなんとか乗り越えられそうな気がする。 「おいアホ共、迎えの神職さまがいらしたぞ。さっさと荷物を持て」 亀世さんが指さした先に、白いバンの前で軽く手を振る紫袴の神職さまが見えた。 いよいよ神社実習が始まるんだ。