斎悠先生は薫先生の肩をぽんと叩いた。
「とにかく何かあったら相談しろ」
「やだなぁ先生。いつまでも子供扱いしないでくださいよ」
「返事」
「はいはい」
まったく、と怖い顔を顰めて息を吐いた斎悠先生。
朝のホームルームが始まる鐘が鳴り響き二人は顔を上げる。
「そろそろ行こうか巫寿」
「あ、はい。失礼します」
ひとつ頷いた斎悠先生にぺこりと頭を下げると、薫先生と並んで教室へ向かった。
斎悠先生は何かあったら相談しろって言ってたけど、何かあったのだろうか?
あれこれ首を突っ込むのは良くないと分かっていつつも、元担任の先生が元生徒を気にかけるくらいだし……。
あれこれ考えているうちに教室についた。
薫先生が中に入り、クラスメイトたちは挨拶よりも先に「実習先決まった!?」と先生の周りを取り囲む。
「あはは、君らホント朝から元気だね。教えてあげるから席つきな」
慌てて席に着いた皆はそわそわした顔で薫先生をじっと見つめる。



