「乗ったよ。鶴吉さんが冬休みに使役したんだって」
「鶴吉さんが? 三年の?」
あまりにも真剣に詰め寄ってくる恵衣くんに困惑しながら頷く。
「薫先生と一緒に戦って使役したんだって」
「そう、なのか」
どこかソワソワした様子の恵衣くんに首を捻る。ふと二学期末のことを思い出した。
あれ、そういえば────。
あれは確か二学期末に八瀬童子の里で戦に巻き込まれ、かむくらの神職が駆けつけてくれたことによってようやく一息ついた頃。
私が眞奉──十二神使の騰蛇を使役しているということがクラスメイトに発覚したあとのことだ。
『巫寿。今いいか』
いつもは『おい』や『お前』と読んでくる恵衣くんがやけに丁寧に私の名前を呼んで話しかけてきて、何事かと思わず身構えた。
『ど、どうしたの?』
まだ重症のうちに入っていた私は、布団からゆっくりと起き上がる。私の影に溶け込んでいた眞奉がすかさず姿を表し肩を支えてくれた。
そんな様子に恵衣くんの眉間のシワがぎゅうっと深まる。
布団の真隣に腰を下ろした恵衣くんは、怖い顔のままムッツリと黙り込む。
『えっと……?』
用があって話しかけてきた感じだったけれど、私の勘違いだったのだろうか。
『……騰蛇は普段どんな風に過ごしている』
『え?』
『だから騰蛇は普段どんな風に過ごしているんだって聞いてるんだよ』



