その夜十時、四人は再び終電を見送り、新宿のネオンを背に歩き出した。チラシスーツは改良され、背中に大きく〈保護猫あと八匹〉の文字。ミラーボールのように光る安全ピンが道行く人の視線を奪う。
甲州街道の歩道橋の上、駿は深呼吸し、胸ポケットから白紙のカードを取り出した。
「“メグレズ”の次のマス、何を書こうか」
和奏は微笑み、秀斗は拳を掲げ、樹里がマジックを走らせる。
――〈②夜の恩返し 八匹完売作戦〉――
真夏の夜風がカードを揺らし、遠くで新宿の街灯がまた一つ、静かに明度を落とした。
甲州街道の歩道橋の上、駿は深呼吸し、胸ポケットから白紙のカードを取り出した。
「“メグレズ”の次のマス、何を書こうか」
和奏は微笑み、秀斗は拳を掲げ、樹里がマジックを走らせる。
――〈②夜の恩返し 八匹完売作戦〉――
真夏の夜風がカードを揺らし、遠くで新宿の街灯がまた一つ、静かに明度を落とした。



