私は身支度を整え簡単に食事を終わらせると鞄を片手に玄関へと向かう。

「じゃあ、また夜にね。ライネル」

私は玄関先に飾って大事にしている、ライネルのアクスタにそう言うと元気よく家を出発した。

(さぁ、今日も仕事がんばりますかね)


おひとりさまだって悪くない。むしろ推しがいて、その推しに異世界でも夢でもなんでもいいから毎日、会えるなら恋人がいる現実よりも私ははるかに幸せだ。


そう、『碧い溺愛』はまだ始まったばかり。

そしてこれからずっと続いていくのだ。

私が永遠の眠りにつくまで──もしかしたらその先も、ね。



2025.5.7 遊野煌