生意気でごめん、先輩



俺はきっと顔は真っ赤で、息もあがっていて、なのに綴先輩は余裕そうだ。

「兄貴から、ききました、年上の女と言い争ってたって」

その余裕さはやっぱり恋愛偏差値の差なのか。まあそりゃ全然違うだろうけどこうも俺だけ赤面しているのも悔しい。絶対俺の方が綴先輩のこと好き。

「…ああ、そういうこと」

綴先輩が小さな声でそう呟く。何かそういうことなのかさっぱり分からない。勝手に完結させたな、この人。

「俺、質問してるんですけど」

拗ねたようにそう言った俺。あれ、なんか束縛激しい恋人になってない?大丈夫かな、でもモヤモヤするもんはするし。

「…姉だよ、しばらく会ってなかったからちょっといざこざはあったけど、解決した」

「姉…」

「そ、姉…続きしていい?」

「ダメに決まってんだろ、まだ色々話すことあります、聞きたいことだって」

「いいよ、一星になら全部教える」

なんだそれ。俺のこと好きかよ。あ、そっか好きなんか。何それ、嬉しい。
綴先輩の肩に置いた手にきゅっと力を入れる。
聞きたいこと、たくさんあるし話したいことだってたくさんある。

でも、俺だってちゃんと伝えないと。


「…好きです、綴先輩」


綴先輩は、優しく笑った。
俺はどうやら生意気な言葉以外で、綴先輩のポーカーフェイスを崩すことに成功したらしい。