「Hey, Boys and Girls! You are terrorists!」

 日本の警察を押さえ込んで、検察や裁判所まで左翼と在日コリアンのシンパで制圧している。
 もはや安全で日本では何やっても大丈夫!
 そのはずだったのに。

「Nice to meet you, We are Your GEHENA friends, welcome to Hell! Ahaha! We want to speak with you SIMPATICO, you can talk about your all crimes and bad friends!」

 軍服の白人たち、黒人たちが陰険な笑みを浮かべて、英語で何か話している。
 その横で、日本人の警官がいるので助けを求めてみたが、ムダだった。どうせ普通に裁けないので米軍のテロリスト・国際組織犯罪対策の部署に売りとばしやがったのだった。

「いや、君たちは日本人じゃないし(在日外国人、通名・帰化も無効)、パレルモ条約とか「国際テロリスト」として引き渡したからもう管轄外だし。ここは米軍基地で日本の法律とは基本のルールが違っているから、私に言われても困る。通訳の手伝いと情報共有のために来ているだけなんだ、うん」

 彼の目つきはあり得ないくらいに乾ききって冷ややかであった。辛酸を舐め続けた真面目な警官たちが、在日コリアンや共産主義者とその仲間たちにどういう感情を持つかは考えるまでもない。

「Hey, Giving special rooms, take it easy!」

 手錠をかけられて引きずられていく。
 導かれた独房は鉄格子のあるアメリカの監獄方式で、狭い部屋にベッドと便器だけがある。排泄物の臭いを行住坐臥に嗅ぎ続ける反省家畜小屋。
 人権はある。ただし組織犯罪者やテロリストとして、普通より数ランク落ちる人権保障。ゲリラ捕虜として拷問にかけても良いのだし、そもそもが「スパイは銃殺」だから。生かして尋問して貰えるだけでも慈悲のうちなのさ!

「小泉や鳩山由紀夫はどうなったんだよ?」

「あいつらは司法取引で保留中だ。今は豪華で安全な警備付きホテルで、うちの上司とアメリカのゲストと一杯やりながらベラベラ自供している最中なのさ。金髪のバニーガール付きでな!
ああいう人間はいざとなったら、下っ端を売って自分たちだけ助かろうとするに決まってる。とっくに売られたんだよ、お前らは」

 世界がガラガラと崩れていくようだった。
 狂乱して鉄格子にとりすがると、ブラックジャック(革棍棒)でぶん殴られ、手首が折れ砕けそうになって手を放して後ずさりする。そのままひっくり返って便器に後頭部をぶつけてショックで意識が飛んだ。
 それが人生最後の日々、地獄の始まり。
 最後の死刑だって、日本みたいな「床落下式の絞首刑」で楽に即死させて貰えない。ここは「アメリカの法律が適用される」から、電気椅子なんだ。電流でブルブル全身が焼けていくし、生きたまま発火することだってあるんだぜ? 頭に濡らしたスポンジで通電を良くするんだけど、それを忘れるとより長く苦しみが続く。
 廊下で毎日前をとおる、金属の処刑ベンチで五人も十人も、「先客」が断末魔してやがった。その日に連れて行かれるのが拷問室だとわかるとホッとして涙が出るのに、一時間後には「もう殺してくれ」って泣き叫ぶ毎日だったよ。