「え! じゃあ、藤瑶館志望に変えるんだ!」
昼休みにお弁当を食べながら、澪に志望校の変更を報告した。
「うん。あの学校説明会、すごく良かったし」
「確かに、良い学校だよね」
咀嚼したおにぎりを飲み込んで、澪が笑う。
「正直ね、櫻山女学院櫻山女学院ってキリキリしてる瑠衣は見ていてつらそうだったから、行きたい高校が見つかって良かったと思うよ」
「わたし、そんなにキリキリしてた?」
「してた、してた!」
澪は大笑いする。そして、わたしの耳元に口を寄せて、小声で言う。
「恋のおかげ?」
わたしは、悠誠くんの最後の微笑みを思い出す。
「うん、それも大きいかな。いろんな人の助けがあってこそだけど」
「え、その様子だと、もしかして付き合い出したの?」
わたしはとびきりの笑顔で言う。
「ふられちゃったよ! もう、どうしようもないほどに!」
「は!? え!? なんでそんなに嬉しそうなの!? 怖っ!」
澪は気持ち悪いものを見るような目で、わたしから体を離す。
「良いの。すべてが特別だったから。終わりまで、全部」
「うーん……。瑠衣が納得してるなら、良いか!」
澪はすぐに、ニカッと笑った。歯にふりかけがついていた。
「何、お前、志望校変えるの?」
振り向くと、翔太郎が立っていた。
「うん。藤瑶館にする」
「単純なやつだな」
「単純でも、わたしが決めたから良いの」
翔太郎は片方の口端を上げた。
「それなら良いか」
「うん。翔太郎もありがとうね」
「えー! 何? 二人で話したの? 何の話? ずるい!」
澪がクレームを入れる。わたしと翔太郎は笑う。
「内緒だよ」
「ああ」
「ずるーい!」
いつもの昼休みの教室に、笑い声は絶えなかった。
昼休みにお弁当を食べながら、澪に志望校の変更を報告した。
「うん。あの学校説明会、すごく良かったし」
「確かに、良い学校だよね」
咀嚼したおにぎりを飲み込んで、澪が笑う。
「正直ね、櫻山女学院櫻山女学院ってキリキリしてる瑠衣は見ていてつらそうだったから、行きたい高校が見つかって良かったと思うよ」
「わたし、そんなにキリキリしてた?」
「してた、してた!」
澪は大笑いする。そして、わたしの耳元に口を寄せて、小声で言う。
「恋のおかげ?」
わたしは、悠誠くんの最後の微笑みを思い出す。
「うん、それも大きいかな。いろんな人の助けがあってこそだけど」
「え、その様子だと、もしかして付き合い出したの?」
わたしはとびきりの笑顔で言う。
「ふられちゃったよ! もう、どうしようもないほどに!」
「は!? え!? なんでそんなに嬉しそうなの!? 怖っ!」
澪は気持ち悪いものを見るような目で、わたしから体を離す。
「良いの。すべてが特別だったから。終わりまで、全部」
「うーん……。瑠衣が納得してるなら、良いか!」
澪はすぐに、ニカッと笑った。歯にふりかけがついていた。
「何、お前、志望校変えるの?」
振り向くと、翔太郎が立っていた。
「うん。藤瑶館にする」
「単純なやつだな」
「単純でも、わたしが決めたから良いの」
翔太郎は片方の口端を上げた。
「それなら良いか」
「うん。翔太郎もありがとうね」
「えー! 何? 二人で話したの? 何の話? ずるい!」
澪がクレームを入れる。わたしと翔太郎は笑う。
「内緒だよ」
「ああ」
「ずるーい!」
いつもの昼休みの教室に、笑い声は絶えなかった。



