置かれた場所で咲きなさい。  
 遠い昔のある人は、後世を生きる者のためにそんな言葉を遺していった。
 それなのに当の私たちは。


 ——どれだけ根を張ったって咲ける保証なんてないのに。
 ——枯れたものはもう二度と、咲くことなんてできないんだ。
 ——生まれた瞬間から、咲ける咲けないは決まってる。
 ——私はきっと、ただ咲けちゃっただけだから。

 
 そんな心の叫びを隠しながら生きている。
 未来はみえないから怖くて、知れないから不安になる。
 できることなら笑っていたいし、傷つくことも、苦しい思いもしたくない。
 だから変わろうとしているのに、自分を変えることは思っているより難しくて。
 そんな自分が嫌になる。
 成功してるあの子が羨ましい。
 みんなから好かれるあの子になりたい。
 
 だけど、私は私のままでいいし、きみもきみのままでいい。
 きみの、きみのままの、本当の声を私に聴かせて。