食事を終えた美咲美は、盃を手に取り、ゆっくりと酒を飲んだ。
「ねえ、悠慎。」
「…なんだ。」
「あなたは、私がここにいることをどう思ってるの?」
悠慎は、美咲美をじっと見つめた。
そして、静かに答える。
「…別に、悪くない。」
美咲美は驚き、一瞬目を見開いた。
そして、ふっと笑う。
「ふふ、それってつまり…私がいてもいいってこと?」
悠慎は答えない。
しかし、それが何よりの答えだった。
美咲美は、静かに盃を置き、微笑んだ。
「…なら、私はこれからもここにいるわ。」
悠慎は、何も言わなかった。
だが、美咲美の盃にそっと酒を注ぐ。
それだけで十分だった。