霧の道を進んでいくと、二人の前に巨大な構造物が姿を現した。それは今まで見たどの門よりも荘厳で、黒と金を基調とした輝きを放っている。門全体が何かの紋様で覆われており、その中央には宝石のような装飾がはめ込まれていた。
「これが……最終の門。」
琴乃がその大きさに圧倒されるように呟いた。
「瑞道はここまで来たのか?」
幹太が視線を巡らせる。門の周囲には誰の痕跡も見当たらなかった。
門の前に立つと、ひときわ強い風が吹き付け、霧が渦を巻く。その中から再び門神が現れた。
「選ばれし者たちよ、ついにここまで来たか。」
門神の声はいつになく厳粛だった。