「選べぬのならば、その力を得る資格はない。」
門神が再び現れた。霧に包まれたその巨大な姿が、宝石を覆うように立ちはだかる。
「だが、お前たちは選ぶことで何を守るべきかを知るだろう。さあ、選択を示せ。」
門神の赤い目が二人を鋭く見据えた。空間全体が張り詰めたような緊張感に包まれる中、幹太が口を開いた。
「……選ぶんじゃなくて、どっちも守る道はないのか?」
門神は一瞬黙り込んだ後、不敵な笑みを浮かべたように見えた。
「お前たちの言葉が試練の意味を変えるならば、次の道を示そう。」
その瞬間、宝石が輝きを失い、空間が大きく揺れた。二人は足元を掬われるような感覚に襲われ、気づけば暗闇の中に立っていた。