階段を登り切ると、再び台座のようなものが現れた。だが、そこにあったのは先ほどの鍵とはまるで違う、金色に輝く宝石だった。宝石は静かに浮かび、周囲に淡い光を放っている。
「これが……本当の秘宝?」
琴乃がそっと手を伸ばしかける。
その瞬間、光が強まり、二人の目の前に無数の映像が映し出された。それは二人の過去の記憶や、これから起こりうる未来の断片だった。
「これは……俺たちの……?」
幹太は言葉を失った。
門神の声が響く。
「この秘宝は時間そのものを操る力を持つ。しかし、その力を使えば、お前たちの時間にも代償が求められるだろう。」
「時間……代償……?」
琴乃は困惑した表情を浮かべながら宝石を見つめた。
「お前たちはこれを手にする覚悟があるのか。それとも、手放す道を選ぶのか。」
門神の問いかけに、二人は揺れる心を抱えながら答えを探し始めた。