歩き続けること数十分、遠くに何かが見えてきた。それは風化した石造りの建物で、中央には大きなドーム状の屋根が崩れかけている。壁には苔が生い茂り、扉らしきものは壊れてなくなっていた。
「ここが次の試練の場所かな……?」
琴乃が立ち止まり、小声で呟いた。
「行くしかないだろ。あの門神が何を仕掛けてくるか、わからないけどな。」
幹太は少し緊張した面持ちで建物の中へと足を踏み入れた。