明日はデートだからと、貴女はわざわざ私を家に呼びつけて、手足にマニキュアを塗らせる。自分じゃ上手く塗れないんだとか。私は仕方なく、貴女のしなやかな指を手に取って、そのかたちの良い爪に深いラメ入りのブルーを塗っていく。ささやかな抵抗がしたくて、わざと小指の爪だけは一度塗りで済ます。