ある時から突然、貴女は表情を失ってしまった。原因は分からない。感情豊かな貴女だったから、多くの人間はそのことに戸惑っただろうし、何より貴女自身辛いだろう。私は今、霊体となって自身の墓の上に浮いている。お参りにきた貴女の目には涙だけが伝っていて、表情の伴わない泣き顔はどこか寂しい。