廃校舎の屋上で、錆びたフェンスをまたぐ影が一人。そう、貴女だ。貴女は今にも自分の命を投げだそうとしている。私はすんでのところで貴女の腕を掴み、こちら側に引き戻した。腹を立てた様子の貴女は、この世界がどれだけ絶望に満ちているのかを私に語って聞かせるから、私まで現実が嫌になってくる。