第三楽章 第三小節 進行するコードと学園に渦巻く陰謀論 前編
忍者(殺し屋)の一族に産まれた。
この世に生を受けたその日から 修行という名の拷問の毎日で、十七人いた兄妹の中で生き残れたのは
自分を含めてたったの三人だけだった。
生まれつき虚弱体質だった自分に失望した十五代目(曾祖父)は、口減らしに、抵抗する曾孫の口に無理やり猛毒を流し込んだ。

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砒素だと思っていたその薬が、DNA変格剤(あの薬)だとは知らずに。


奪い、壊して
騙して、殺す。

傷だらけの脚で逃げ走った。
自分に教え込まれた常識を、家訓(裏社会のルール)
何もかも全て否定して。

何処にも 行き場のない 居場所がない 迷い子の自分に差し出された一筋の希望。

『今日からお前はバンドメンバー(俺の仲間)だ。
宜しくな‼️
………羅夢。 』



あの時の言葉。 あの時の笑顔。
誰かをあんなに 好き になったのは、産まれて初めてだったから。

君はぼくの英雄(ヒーロー)だ。
これからも、この先も。


きっと戻って来る。信じてるよ。
千秋。









「え? コードって何ですか?」

『……。 えーっと。』

ここは聖帝学園2階の軽音楽室。
来月の結成記念ライブに備え、早速練習を始めるところだった。
千秋たちが不在の今、何としてでもバンドを継続させる為に 緊急で集めた臨時のメンバーなので
この中で1番経験がある自分が、一から……。 ゼロから指導しないといけない。

『んー。 この中に、【コード進行】がわかる人。
どれだけいますか❓』

「『「……。」』」

ーー。

『 マジすかー。 』

未経験の後輩達を半ば無理矢理勧誘している身なので、とやかくは言えないが
バンドにおいて、コード進行は必ず熟知してないと、話にならない。
とりあえず、なるべく簡単に説明しておこう。

「えーと……。
ほら。その楽譜、AとかCmとか書いてるっすよね。」

『あ、ホントだ。』
さっき買収……。
いやいや、【交渉】した音無ちゃんが、早速気づいていた。

『コード進行ってのはー……。』
部屋のホワイトボードにマーカーで図を書く。

【覚えよう‼️ コード進行とは】
その1 (音名) ……コードの根音(一番左の、必ず弾く音)
イタリア語 【ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド】
イギリス語 【 C D E F G A B C】
ニホン語 【ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ ハ】

半音上がると# 半音下がると♭ をつける。
単音ではなく、《複数同時に鳴らす》のがコード‼️

その2(短調と長調)
長調……明るい響き【メジャーコード】と言う。 C《ド ミ ソ》はシーメジャーと読む。
短調……悲しい響き【マイナーコード】と言う。 Cm《ド ミ♭ ソ》はシーマイナーと読む。
メジャーの和音の真ん中の音を、半音下げるとマイナーの和音に変わる‼️

その3(転調)
調が変わること。
ポビュラー音楽は、大体最後のサビで転調し、曲に盛り上がりを出す。

その4(セブンスコード)
【メジャーコード】の1番右に、【根音から6音+半音上がる】を付ける‼️
例えば、C7……【ドミソ+ラ#】の和音‼️
基本の音楽は、大体セブンスコードをメロディーにつけている。

その5(詳細は)
ググッて。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。よし。基本はこんなもんだろう。

共鳴『おー、見やすーい‼️』
……ありがとうございます。

白黒『へー、全然知らなかったです‼️ 』
嘘だろおい……。

音無『それくらい、普通に知ってるし。』
………………。 この野郎。時間返せ……


『うん。 基本はこのくらいだから……。
あとは各自で、コード見てすぐ弾けるくらいに練習and暗記しといてくださ~い。』

三人『はーい。』

来月のライブ用の曲は……、そこまでハイレベルな演奏技術が必要なものでは無いから、
この調子でそれなりに特訓すれば、何とか間に合いそうだ。







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???『興戸‼️ お前がやったんだろう⁉️
お前が 【毒殺】しようとしたんでしょ❓』





後編へ続く。