耐えて、耐えて、耐え続けて、永遠と思えるほど長い時間が過ぎた頃、チャイムが鳴った。
 
 もしかして、終業時刻だろうか? 
 
 痛みを堪えながら様子を窺っていると、紙袋が持ち上げられて、歩き出した。
 すると、誰かと挨拶をする声が聞こえた。
 
 「お疲れ様」
 
 その声はご主人だった。
 やはり仕事が終わったようだ。
 
 早く治して!
 
 必死になって叫んだ。
 もう我慢の限界だった。
 それが通じたのか、歩く足が速くなった。