【聖地巡礼でブーム⁉︎ 渦中の同人誌に迫る!】
いつもアクセスありがとうございます。管理人のカナタです。
今回取り上げるのは、ミステリー小説……ではなく、なんと! とある同人誌です。こう言うと、小説好きな皆さまにはなんの話か容易に想像がつきますよね?
そうです。今SNSで話題の小説、『きみのかえる場所』です。
(表紙画像)
この同人誌は、噂によると恋愛小説だそうですね。ミステリー小説を取り扱う当サイトでなぜ恋愛小説を……同人誌を……と思われる方もいらっしゃると思いますが、この同人誌はまさに、存在そのものがミステリーなのです。
とはいえ、この同人誌が話題になりはじめたのは少し前のこと。今さら取り上げたところで乗り遅れている感は否めないのですが(笑)、今回は特別企画として、『きみのかえる場所』を詳しく知らない方向けにお話ししていきましょう。そして最後、ある発表があるのでお楽しみに!
《目次》
・謎の小説『きみのかえる場所』とは?
・なぜこの小説がここまで広まったのか?
・囁かれている奇妙な噂と、新たなる謎
◆謎の小説『きみのかえる場所』とは?
『きみのかえる場所』(以下『きみ場所』)は、今から約一ヶ月ほど前からネット上で話題になっている恋愛小説です。
この小説の出自は明らかになっておらず、作者『サワ』さんも素性不明です。にも関わらず、TikTokでは現在この小説の話題で持ちきりですね。特に目立つのは、『きみ場所』を読んだという方がこの小説をおすすめしている投稿です。今、TikTokで検索すると少人数ではありますが、『きみ場所』を読んだという人間が観測されます。その全員がショート動画内で、表紙・目次・モノローグ・あらすじを紹介しており、さらに〈感動した〉〈泣いた〉といった感想を述べています。
そう説明するとネット上ではよくある現象とも思えますが、おもしろいのはたったそれだけの情報に対し、若い人を中心に〈この小説を読んでみたいのですが誰か持っている人いませんか?〉と投稿するムーブが起こっていることです。不思議ですね。おかげで今、TikTokやXでは『きみ場所』を求める人で溢れています。そしてこの現象を私のような愛読家が紹介し、YouTuberが解説し、先日はとうとう朝のニュース番組で特集されていました。特集はいくつかの商業小説の中に混じる形でしたが、このように、同人誌が世間に周知されるのは異例と思われます。
◆なぜこの小説がここまで広まったのか?
正直なところ、なぜこの小説が広まったのかは私にもわかりません。
ただ、この疑問を解決するヒントとして以下の要素があげられます。
(1)魅力的な内容
『きみ場所』はこれまで本文がネタバレされることはなく、表紙やあらすじ、そして口コミのみで広まっているようです。ということは、たったそれだけの要素でも引き込むほどの力があるということなのでしょう。
この小説は特定の地方を舞台にしているようなのですが、そういった要素は映画にしろ小説にしろ魅力的なものが多いですね。私も『きみ場所』の一部の情報を見ただけで気になってしまった人間のひとりです。あらすじを見る限りでは王道と呼べる部類のストーリーなのですが、なぜか気になる、不思議な引力があるのですよね。
(2)謎に包まれた存在
先に記載した通り、この小説は正確な出自が確認されていません。
そのため、最初に誰がどのようなルートで小説を手に入れたのか、判明していません。しかし読んだ方がいるのは事実であり、それを誰もが語らないものだから謎を呼んでいます。『同人誌』と呼ばれているからには即売会で売られていたのでしょうか? その割には見かけたという投稿は見られませんし、ネット販売されていたという情報もありません。そのときは誰にも注目されていなかったという可能性はありますね。
人は秘密にされればされるほど仔細に知りたがるものです。そういった不明瞭な部分が、『きみ場所』のブームを引き起こしているのでしょう。
(3)聖地巡礼ブーム
意外にも、これが一番有力な拡散理由なのかもしれません。
聖地巡礼といえば、アニメ、ドラマなどでモデルとされた場所を実際に訪れる行為であり、今や一般的な楽しみ方のひとつです。その地を訪れる人は現実世界でフィクションの世界を楽しむことができ、さらに現地では地域活性化も期待できる、魅力的な施策ですね。
『きみ場所』も、その類の小説だと言われています。
この小説のモノローグでは、主人公が住んでいる場所の詳細が描かれています。都心からの所要時間、地形の特徴、人口——それらから察するに、物語の舞台はT県の穂蔵村というのが定説となっています。そしてわずかな読者たちは、口を揃えて〈小説の舞台に行ってみたい〉〈行ってみようと思います〉と投稿しているのです。この現象に伴い、小説を手に入れられていない人たちですら穂蔵村への観光を検討している動きが見られます。調べたところ穂蔵村は観光地ではなく、かなりの山奥に存在する村——というよりも、閉鎖的な〝集落〟のようなのですが、それでも多くの人が魅力を感じているわけですね。小説は手に入らなくても、小説の世界に触れることはできる。この誘惑が『きみ場所』ブームを加速させているのかもしれません。
とはいえ、いま説明した要素は他の同人誌でも持ち得る要素です。『きみ場所』がここまで支持される理由は、やはり〝不思議な引力〟としか言いようがありません。
◆囁かれている奇妙な噂と、新たなる謎
さて、このブームははたから見ると、ある小説が偶然にも多くの人に目に留まりみなが探し回るという、ある種微笑ましい現象といえるでしょう。しかし、一部の人間がこの小説のことをなんと呼んでいるかご存知でしょうか。
それは、『呪いの小説』です。
すてきな恋愛小説と謳われるこの小説が、なぜ呪いなどという不穏な言葉で形容されるのでしょうか。それは、この小説にまつわる噂の中でも最も闇深い謎に関連しています。
その謎とは——この小説を読んだと思われる人間のすべてが、その後コンタクトを取れなくなっているという点です。
小説の感想を述べている投稿には、〈どこで手に入れたんですか?〉〈ストーリーの詳細を教えてください!〉といったコメントがつきがちです。しかしアカウントの保持者は、コメントに答えることなく更新を止めるのです。これは些か奇妙な現象です。この件に関し、私はまず、この『自称読者』がもしかしたら宣伝アカウントなのではないかと考えました。いわゆるステマですね。作者が小説を宣伝するために他者にいくらかの金銭を渡し、さりげなく宣伝してもらうわけです。しかし過去の投稿を見ると、小説の宣伝をした人たちはそれまで普通に更新をしていて、宣伝と同時にぱたりと止めているのです。不思議だとは思いませんか?
ステマは違法であるため、どこかでそれを正す動きがあり、投稿者全員が更新を止めた可能性はあります。しかし、小説を勧めるアカウントは今でも増え続けています。中には多くのフォロワーがいる人もいます。投稿後に更新を止める状況に陥るかもしれないのに、ステマを引き受ける人がいるでしょうか?
このように、読者のアカウントが軒並み止まっていることに気づいた人たちが、『きみ場所』を『呪いの小説』と名づけたのです。
この小説は、読んだ者を消してしまうのではないかと……。
コンタクトが取れないという点では、作者の『サワ』さんも同様ですね。こんなにも話題になっているのになぜ姿を現さないのでしょうか? 私はこの件についても深い闇を感じます。
さて、噂ばかりをまとめていると管理人の腕が落ちたと思われそうなので、私もひとつ新情報を出しましょう。
それは、いなくなった『自称読者』の共通点です。彼らはみな若い人間であり、そして、例の穂蔵村に近い場所に住んでいると思われるのです。
過去の投稿を見ればわかります。制服で撮った動画、夏休みを満喫する映像、受験勉強中にふざける様子。彼らはみな未成年であり、年齢を確認できた人のすべてが十代でした。そして彼らの活動範囲を調べてみると、そのほとんどがT県だと思われるのです。果たしてこれは偶然なのでしょうか? それとも、なにか意味があるのでしょうか?
多くの謎を残す『きみ場所』。その謎を解き明かしたいという気持ちは、日を追うごとに膨らんでおります。
そこで、私カナタは……穂蔵村へ突撃することを決意しました!
私は現役高校生であり、現在夏休み中です。幸運なことにT県には多少近い地域に住んでいるので、来週あたり行ってみようかと考えております。
正直、行ったところでなにも起こらないとはと思っています。しかし、ひとりくらい『きみ場所』の読者と会えるかもしれないですよね。そのときは話を聞いてみたいと思いますし、実物を持っていたなら読ませてもらいたいですね。そう思うと俄然、胸が高鳴ります。
どうなるかはわかりませんが、期待して待っていてくださいね。そして当記事の拡散もどうぞよろしくお願いします!
それでは、次の更新をお楽しみに。
コメント(2)
アイ 2024年9月18日
はじめまして。私はあなたが書かれた『呪いの小説』の話に興味がある者です。すでに穂蔵村に行かれていると思いますが、なにか発見はありましたでしょうか?
管理人カナタ 2024年9月19日
隱ー縺句勧縺代※