さつまいもはきれいに洗い、皮を数ヶ所剥いて縞模様にした。
程よい大きさのさつまいもだったので、そのまま適当な大きさに輪切り。耐熱皿に並べてレンジで火を通す。
こうすることで揚げるとき、時間が短くて済むので、恵子はさつまいもを天ぷらにするときはそうしていた。
とはいえ、火が通るということは熱くなるということで、耐熱皿をレンジから出したらそのまま冷ます。そのあいだにてんぷら粉を水で溶き、天ぷら用の鍋にサラダ油をたっぷりと入れて火にかけ、油を熱する。
それから舞茸の天ぷらを先に作る。舞茸をてんぷら粉に入れ、衣をつけて油の中へ。
「舞茸の天ぷらも美味しいのよね。きのこって天ぷらが美味しい気がする」
しみじみとつぶやきながら、天ぷらを揚げていく。舞茸の天ぷらを揚げ終わったら、今度はさつまいもに衣をつけて揚げていく。
次々と揚げていくと、水に溶いたてんぷら粉が余った。
「じゃ、これはそのまま揚げちゃいましょう」
ごま塩を入れた衣をそのまま油の中に入れる。衣が余るといつもこうして揚げていた。子どもたちは「中身ないの?」と不思議そうにしていたが、すぐに「これはこれで」と気に入っていたことを思い出して、恵子はくすくすと笑う。
「案外おいしいのよねぇ、これ。ちくわもあれば良かったんだけど……でも、ちくわを揚げるなら、青のりを入れたいわよね……」
ぶつぶつと言葉をこぼしながら、最後の衣だけの天ぷらも引き上げ、火を止めた。
「……結構多めに作っちゃった。冷まれたらフードパックに入れて、持っていきましょう」
粗熱が取れるまで放置することにして、恵子は天ぷらを入れるためのフードパックを用意してから、美穂に電話をかける。
「もしもし、美穂ちゃん。今日ねぇ、娘から舞茸をもらってね。舞茸ご飯と天ぷら作ったから、持っていってもいいかしら?」
『あれまぁ、悪いわぁ。でもありがたくもらう! ありがとう、けーこばあば』
「私一人じゃ食べきれんよ。んだば、冷まれたらすぐ持ってくから、待っててけんろ」
『わかった、待ってるね』
美穂の言葉を聞いてから、電話を切る。
粗熱を取った天ぷらをフードパックに入れて輪ゴムで閉じた。紙袋を用意して、その中に天ぷらと舞茸ご飯のおにぎりを入れた。
「さて、行ってきますか」
しっかりと準備をしてから、恵子は隣の熊谷家に向かう。
熊谷家のチャイムを鳴らすと、すぐに美穂が出てきた。
「けーこばあば」
「はい、美穂ちゃん。これ」
ずいっと紙袋を押し付けると、美穂はしっかりとその紙袋を受け取る。
「こんなにいっぱい? いいの?」
「芽衣ちゃん、舞茸好きなんでしょ? たらふく食べさせんと」
「ありがとう、喜ぶわぁ」
芽衣が喜ぶ姿を想像して、二人はふふっと笑い合う。
数分世間話をしてから、恵子は家に戻る。後日、舞茸ご飯のおにぎりと天ぷらを食べた芽衣から、「けーこばあば、ありがとう!」というメッセージカードをもらい、恵子の心が和んだ。
程よい大きさのさつまいもだったので、そのまま適当な大きさに輪切り。耐熱皿に並べてレンジで火を通す。
こうすることで揚げるとき、時間が短くて済むので、恵子はさつまいもを天ぷらにするときはそうしていた。
とはいえ、火が通るということは熱くなるということで、耐熱皿をレンジから出したらそのまま冷ます。そのあいだにてんぷら粉を水で溶き、天ぷら用の鍋にサラダ油をたっぷりと入れて火にかけ、油を熱する。
それから舞茸の天ぷらを先に作る。舞茸をてんぷら粉に入れ、衣をつけて油の中へ。
「舞茸の天ぷらも美味しいのよね。きのこって天ぷらが美味しい気がする」
しみじみとつぶやきながら、天ぷらを揚げていく。舞茸の天ぷらを揚げ終わったら、今度はさつまいもに衣をつけて揚げていく。
次々と揚げていくと、水に溶いたてんぷら粉が余った。
「じゃ、これはそのまま揚げちゃいましょう」
ごま塩を入れた衣をそのまま油の中に入れる。衣が余るといつもこうして揚げていた。子どもたちは「中身ないの?」と不思議そうにしていたが、すぐに「これはこれで」と気に入っていたことを思い出して、恵子はくすくすと笑う。
「案外おいしいのよねぇ、これ。ちくわもあれば良かったんだけど……でも、ちくわを揚げるなら、青のりを入れたいわよね……」
ぶつぶつと言葉をこぼしながら、最後の衣だけの天ぷらも引き上げ、火を止めた。
「……結構多めに作っちゃった。冷まれたらフードパックに入れて、持っていきましょう」
粗熱が取れるまで放置することにして、恵子は天ぷらを入れるためのフードパックを用意してから、美穂に電話をかける。
「もしもし、美穂ちゃん。今日ねぇ、娘から舞茸をもらってね。舞茸ご飯と天ぷら作ったから、持っていってもいいかしら?」
『あれまぁ、悪いわぁ。でもありがたくもらう! ありがとう、けーこばあば』
「私一人じゃ食べきれんよ。んだば、冷まれたらすぐ持ってくから、待っててけんろ」
『わかった、待ってるね』
美穂の言葉を聞いてから、電話を切る。
粗熱を取った天ぷらをフードパックに入れて輪ゴムで閉じた。紙袋を用意して、その中に天ぷらと舞茸ご飯のおにぎりを入れた。
「さて、行ってきますか」
しっかりと準備をしてから、恵子は隣の熊谷家に向かう。
熊谷家のチャイムを鳴らすと、すぐに美穂が出てきた。
「けーこばあば」
「はい、美穂ちゃん。これ」
ずいっと紙袋を押し付けると、美穂はしっかりとその紙袋を受け取る。
「こんなにいっぱい? いいの?」
「芽衣ちゃん、舞茸好きなんでしょ? たらふく食べさせんと」
「ありがとう、喜ぶわぁ」
芽衣が喜ぶ姿を想像して、二人はふふっと笑い合う。
数分世間話をしてから、恵子は家に戻る。後日、舞茸ご飯のおにぎりと天ぷらを食べた芽衣から、「けーこばあば、ありがとう!」というメッセージカードをもらい、恵子の心が和んだ。