「学生時代に力を入れたことを教えてください」
「はい。私は──」

　学生時代──略称【ガクチカ】に必要なことは、結論→理由→課題→行動→結果だと言われている。
　ならば、これから話すことも、まずは結論から話したほうがいいかもしれない。
　私たちは、このガクチカによって、一人ずつ破滅させられていく。
　もう二度と戻りたくないあの時間になにが起こったのか、できることならば目を背けてこのまま生きていたかったけれど、ここと向き合わない限りは先に進めないと思ったのだ。
　だから、私は思い出せる限りのことをここに書き記し、何があったのか、その詳細を語ることが必要だった。
　この手帳は、おそらく私だけが今後も見るもので、そうであってほしいと願う。なぜなら、ここには自分でも信じられないようなことが書かれていくからだ。
　そうまでして向き合う理由はなんなのか。
　正直、振り返ることが最善なのか、今でもわからないままでいる。それでも、ただ思い出すよりも、文字にして、改めて自分の目で状況を確認することで、見えなかったあの人たちの意図がわかるかもしれない。
　最後に結果で締める必要はあるけれど、それはこの手帳の最後に残しておくとする。
　現時点では、結果が出ていないのだから──。