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・【18 事件9.志布志さんの懸念・事件編】
・
「佐藤さん、益岡くん、力を貸してほしいのっ!」
今にも胸が張り裂けそうな顔をした志布志さんが、俺と佐藤さんが昼休みに面白動画の話をしている時にやって来た。
あれから表情が丸出しになって、むしろ喜怒哀楽が激しいほうになって、いいなぁ、と思いつつ、
「悩みならなんでも聞くよ」
と答えると、志布志さんは前の席に座ってこっちを向き、少し小さな声で喋り出した。
「隣のクラスの岩本くんが、どうやらイジメられているみたいだから、ちょっと調査して、場合によっては解決してほしいの」
隣のクラスの岩本くん、って、誰だ……と小首を傾げていると佐藤さんが、
「あーしに任せて、浮気調査ってヤツねっ」
「全然違うだろ」
と軽くツッコんだんだけども、志布志さんはちょっとムスッとするだけで、ウケてないじゃん、と思った。
そういうボケをする時はウケるんだよ、というか特に今回はイジメ調査なんだから真面目にやれよ、とは思ってしまった。
志布志さんとは一旦離れて、佐藤さんが、
「滑るのきちぃ」
と言って、いやここは、と思って、
「イジメ調査なんだから真面目にやらないとダメだろ」
「確かに、それ考えて無かったし、完全にミスったわ」
「ミスり過ぎだろ」
と軽く叱るように言ってから、
「じゃああれだ、俺はコミュ障だから本当にイジメられているかどうかの調査、よろしく頼むわ」
「偉そうに言うことじゃないし。クソコミュ」
「障害をちゃんと言え、それだとコミュニケーション方法がクソなヤツだから」
「そうだねぇ、ヤバイ日記を送ってコミュニケーションしてるヤツになっちゃうねぇ」
とイジワルそうな瞳でそう言った佐藤さん。
「じゃあ俺だから合ってるわ」
と言うしかなかった。でももうそんな自尊心も削られないし、そういうもんだろみたいな慣れが既にある。
本当は良くないのかもしれないけども、でももうマジでこういうもんだしなぁ。
佐藤さんは立ち上がり、早速調査へ出掛けるらしい。
有言実行で、本当にそういう面は尊敬する。俺はそういう調査というか人に話し掛けることができないから。
俺は適当に自主勉を始めた。
ちょっと経ってから、佐藤さんが帰ってきて、
「何か別に、岩本って人、イジメられている感じじゃないってさぁ」
「そんな短時間で分かるもんなの?」
「ちょっとどういう感じっつって、軽く知り合いの女子に聞いたら、まあ一匹狼ではあるけども、イジメられてるとかそういうことじゃないって」
軽く知り合いってまあそうか、中学時代の知り合いとかいたらそうなるか。
でも俺は全然そういうのないから、佐藤さんのこういうところ、本当にすごい。
「志布志さんはどうしてイジメられていると思ったのかな? 聞いてみてもいい?」
「う~ん、どうかな、なんとなく言わないようにしていた感じもしたし、適当にハグらかされるかもなぁ。きっと今回の謎はそういうところも含めてなんだと思う」
「いややっぱ聞くし!」
と立ち上がって、志布志さんのほうへ行った佐藤さん。
俺は遠くから眺めているわけだけども、声は当然聞こえるわけで。
「ちょっとそうなのかなぁって」
「どこ見てそう思たん? 具体的によろ」
「いやぁ、何かそうかもって、まだこっちも確信しているわけじゃなくて、あくまで調査だからさっ」
「そっか、おけおけ」
佐藤さんが戻ってきたので、
「話は全部聞こえていたけども、やっぱり話さなかったな」
「何か訳アリっぽいけども、よく分かんないし」
「まあじっくり考えていくしかないなぁ」
と俺が軽く仰け反ったところで、佐藤さんが、
「そだ、いっそのこと岩本って人に直接聞かね? イジメられていないかって」
「そんな大胆なこと、あんますんなよ」
「ほら、椎名先生の時とか、その時のリアクションでもう確定とかしたじゃん。放課後一発やってみようと思うわっ。益岡はちょっとチラリと見ててよ」
「古傷とか抉る感じになるかもしんないから、俺は反対だな」
「あー、そっか、益岡って優しいね、じゃあなんとなく眺めるだけにするわ。放課後、廊下から」
「まあそれくらいだなぁ」
そんな感じで昼休みは終わって、授業&授業で放課後になって、すぐさま佐藤さんは廊下に出て、隣のクラスを見ようとした刹那だった。
「あ! 多分!」
と指差した佐藤さん。
その指差された男子はダッシュでその場を後にした。これ村上副会長見たらキレるだろうなという廊下走りだった。
佐藤さんは志布志さんに近付いて、
「今の子が岩本って人だよね」
「そうだよ、サッカークラブがあって忙しいんだよ」
「サッカークラブ? サッカー部じゃなくて?」
「岩本くんはサッカークラブに所属していて。ちなみに私の弟がそこのジュニアユースに所属していて、試合も見たことあるんだ」
ジュニアユースとかサッカークラブとか、ということは結構強い、本気めのところでプレーしているということか。
俺はう~んと唸りながら、そのまま下校した。
今日は、佐藤さんは別の友達と一緒にどこかへ遊びに行ったらしい。
部屋に着いたところで、まっ、軽くオナニーするかと思って、適当な池橋栄子の動画を選んで、シコりだした。
今回はビーチを走っている王道のシーンにした。
綺麗な白い浜を前向きに走ったり、バック走する池橋栄子。当然胸は揺れている。
バック走している時、自分で何だかおかしくなって笑っている池橋栄子が可愛過ぎる。
そして分かる、こういう胸を揺らすところを見せるだけの行動がバカらしくなって笑ってしまうこと。
その後、浜にうつ伏せになって、胸をちょっとした砂の山へ擦り付けるシーン。背筋を測る動作みたいな感じ。
何で胸に砂が付くとちょっとセクシーに映るんだろうか、アイドルビデオの七不思議の一つだな。
その胸に付いた砂を手で払ってはまた付けてを繰り返して、その度に揺れて、ダメだ、イクぅ……!
すぐにオナニー日記を送ったんだけども、既読も付かないということは、めっちゃ遊んでいるということだよな。
何か今回は男女で遊ぶっぽかったけども、どんな遊びするのかな、皆目見当が付かない。
男女か、佐藤さんも男子と一緒で……って、脳内の文法が何だか恋する男子みたいになっていることに気付き、そういうことじゃないと霧散させようとした。
というか俺、奴隷だし、俺奴隷だしって文章どうなの? って思うけども、実際そうだし。
何か暇だなぁ、もう一発シコるか、と思って、そのままビーチのシーンでもう一発軽く抜いて、またオナニー日記を追加しておいた。
ビーチのシーンは王道だけども最高峰だな、と思った時に、ある思考が始まった。
・【18 事件9.志布志さんの懸念・事件編】
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「佐藤さん、益岡くん、力を貸してほしいのっ!」
今にも胸が張り裂けそうな顔をした志布志さんが、俺と佐藤さんが昼休みに面白動画の話をしている時にやって来た。
あれから表情が丸出しになって、むしろ喜怒哀楽が激しいほうになって、いいなぁ、と思いつつ、
「悩みならなんでも聞くよ」
と答えると、志布志さんは前の席に座ってこっちを向き、少し小さな声で喋り出した。
「隣のクラスの岩本くんが、どうやらイジメられているみたいだから、ちょっと調査して、場合によっては解決してほしいの」
隣のクラスの岩本くん、って、誰だ……と小首を傾げていると佐藤さんが、
「あーしに任せて、浮気調査ってヤツねっ」
「全然違うだろ」
と軽くツッコんだんだけども、志布志さんはちょっとムスッとするだけで、ウケてないじゃん、と思った。
そういうボケをする時はウケるんだよ、というか特に今回はイジメ調査なんだから真面目にやれよ、とは思ってしまった。
志布志さんとは一旦離れて、佐藤さんが、
「滑るのきちぃ」
と言って、いやここは、と思って、
「イジメ調査なんだから真面目にやらないとダメだろ」
「確かに、それ考えて無かったし、完全にミスったわ」
「ミスり過ぎだろ」
と軽く叱るように言ってから、
「じゃああれだ、俺はコミュ障だから本当にイジメられているかどうかの調査、よろしく頼むわ」
「偉そうに言うことじゃないし。クソコミュ」
「障害をちゃんと言え、それだとコミュニケーション方法がクソなヤツだから」
「そうだねぇ、ヤバイ日記を送ってコミュニケーションしてるヤツになっちゃうねぇ」
とイジワルそうな瞳でそう言った佐藤さん。
「じゃあ俺だから合ってるわ」
と言うしかなかった。でももうそんな自尊心も削られないし、そういうもんだろみたいな慣れが既にある。
本当は良くないのかもしれないけども、でももうマジでこういうもんだしなぁ。
佐藤さんは立ち上がり、早速調査へ出掛けるらしい。
有言実行で、本当にそういう面は尊敬する。俺はそういう調査というか人に話し掛けることができないから。
俺は適当に自主勉を始めた。
ちょっと経ってから、佐藤さんが帰ってきて、
「何か別に、岩本って人、イジメられている感じじゃないってさぁ」
「そんな短時間で分かるもんなの?」
「ちょっとどういう感じっつって、軽く知り合いの女子に聞いたら、まあ一匹狼ではあるけども、イジメられてるとかそういうことじゃないって」
軽く知り合いってまあそうか、中学時代の知り合いとかいたらそうなるか。
でも俺は全然そういうのないから、佐藤さんのこういうところ、本当にすごい。
「志布志さんはどうしてイジメられていると思ったのかな? 聞いてみてもいい?」
「う~ん、どうかな、なんとなく言わないようにしていた感じもしたし、適当にハグらかされるかもなぁ。きっと今回の謎はそういうところも含めてなんだと思う」
「いややっぱ聞くし!」
と立ち上がって、志布志さんのほうへ行った佐藤さん。
俺は遠くから眺めているわけだけども、声は当然聞こえるわけで。
「ちょっとそうなのかなぁって」
「どこ見てそう思たん? 具体的によろ」
「いやぁ、何かそうかもって、まだこっちも確信しているわけじゃなくて、あくまで調査だからさっ」
「そっか、おけおけ」
佐藤さんが戻ってきたので、
「話は全部聞こえていたけども、やっぱり話さなかったな」
「何か訳アリっぽいけども、よく分かんないし」
「まあじっくり考えていくしかないなぁ」
と俺が軽く仰け反ったところで、佐藤さんが、
「そだ、いっそのこと岩本って人に直接聞かね? イジメられていないかって」
「そんな大胆なこと、あんますんなよ」
「ほら、椎名先生の時とか、その時のリアクションでもう確定とかしたじゃん。放課後一発やってみようと思うわっ。益岡はちょっとチラリと見ててよ」
「古傷とか抉る感じになるかもしんないから、俺は反対だな」
「あー、そっか、益岡って優しいね、じゃあなんとなく眺めるだけにするわ。放課後、廊下から」
「まあそれくらいだなぁ」
そんな感じで昼休みは終わって、授業&授業で放課後になって、すぐさま佐藤さんは廊下に出て、隣のクラスを見ようとした刹那だった。
「あ! 多分!」
と指差した佐藤さん。
その指差された男子はダッシュでその場を後にした。これ村上副会長見たらキレるだろうなという廊下走りだった。
佐藤さんは志布志さんに近付いて、
「今の子が岩本って人だよね」
「そうだよ、サッカークラブがあって忙しいんだよ」
「サッカークラブ? サッカー部じゃなくて?」
「岩本くんはサッカークラブに所属していて。ちなみに私の弟がそこのジュニアユースに所属していて、試合も見たことあるんだ」
ジュニアユースとかサッカークラブとか、ということは結構強い、本気めのところでプレーしているということか。
俺はう~んと唸りながら、そのまま下校した。
今日は、佐藤さんは別の友達と一緒にどこかへ遊びに行ったらしい。
部屋に着いたところで、まっ、軽くオナニーするかと思って、適当な池橋栄子の動画を選んで、シコりだした。
今回はビーチを走っている王道のシーンにした。
綺麗な白い浜を前向きに走ったり、バック走する池橋栄子。当然胸は揺れている。
バック走している時、自分で何だかおかしくなって笑っている池橋栄子が可愛過ぎる。
そして分かる、こういう胸を揺らすところを見せるだけの行動がバカらしくなって笑ってしまうこと。
その後、浜にうつ伏せになって、胸をちょっとした砂の山へ擦り付けるシーン。背筋を測る動作みたいな感じ。
何で胸に砂が付くとちょっとセクシーに映るんだろうか、アイドルビデオの七不思議の一つだな。
その胸に付いた砂を手で払ってはまた付けてを繰り返して、その度に揺れて、ダメだ、イクぅ……!
すぐにオナニー日記を送ったんだけども、既読も付かないということは、めっちゃ遊んでいるということだよな。
何か今回は男女で遊ぶっぽかったけども、どんな遊びするのかな、皆目見当が付かない。
男女か、佐藤さんも男子と一緒で……って、脳内の文法が何だか恋する男子みたいになっていることに気付き、そういうことじゃないと霧散させようとした。
というか俺、奴隷だし、俺奴隷だしって文章どうなの? って思うけども、実際そうだし。
何か暇だなぁ、もう一発シコるか、と思って、そのままビーチのシーンでもう一発軽く抜いて、またオナニー日記を追加しておいた。
ビーチのシーンは王道だけども最高峰だな、と思った時に、ある思考が始まった。