誰かを好きになるたびに、過去の恋が少しずつ浮かび上がってくる。
今はこの人のことが好きなのに、「あの人ならどうするのだろう」と考えてしまう。この思いを未練だ、と言うのなら私は、いつまで経っても未練たらしい人になってしまう。それはそれでいいのだけれども、たまに、未練を無くしたいと考える人がいる。寂しいよね。きっと。本人も分かってるとは思うけれど、過去の思い出を全て無くすって実はできなくて、でも少しだけ薄めることはできてしまう。それが誰かとの新しい記憶で上書きする方法だけど、過去を過去と言えないのはどうしても辛い。外付けハードディスクみたいに、過去の記憶を、人によって区別できるように残しておけるものがあればいいけど、脳に刺さるケーブルは無くて。私もあるし、あなたにもある脳、その小さな器官でのみ管理されると思うと、とても把握しきれないものばかりだと思う。
海に行った記憶、山に行った記憶、誰かと会った記憶、誰かを看取る記憶。記憶のひとつひとつには必ず思い出があり、何かをするたびに思い出してしまうもの。元カレへの愛が冷めたから、新しい男性と出会うために努力をする。けれど、新しい男性の仕草に元カレとまったく同じ仕草があるだけで「やばい」と思う。好きではないという思いと、まだ好きなんじゃないか、という思いが混じりあう。
人間はどうしても、寂しさから逃げられないんだろうな、と思う。ひとつひとつのきっかけが、過去から寂しさを引き出してくるから。
今はこの人のことが好きなのに、「あの人ならどうするのだろう」と考えてしまう。この思いを未練だ、と言うのなら私は、いつまで経っても未練たらしい人になってしまう。それはそれでいいのだけれども、たまに、未練を無くしたいと考える人がいる。寂しいよね。きっと。本人も分かってるとは思うけれど、過去の思い出を全て無くすって実はできなくて、でも少しだけ薄めることはできてしまう。それが誰かとの新しい記憶で上書きする方法だけど、過去を過去と言えないのはどうしても辛い。外付けハードディスクみたいに、過去の記憶を、人によって区別できるように残しておけるものがあればいいけど、脳に刺さるケーブルは無くて。私もあるし、あなたにもある脳、その小さな器官でのみ管理されると思うと、とても把握しきれないものばかりだと思う。
海に行った記憶、山に行った記憶、誰かと会った記憶、誰かを看取る記憶。記憶のひとつひとつには必ず思い出があり、何かをするたびに思い出してしまうもの。元カレへの愛が冷めたから、新しい男性と出会うために努力をする。けれど、新しい男性の仕草に元カレとまったく同じ仕草があるだけで「やばい」と思う。好きではないという思いと、まだ好きなんじゃないか、という思いが混じりあう。
人間はどうしても、寂しさから逃げられないんだろうな、と思う。ひとつひとつのきっかけが、過去から寂しさを引き出してくるから。