漣里くんの説明によると、この前、たまたま見ていたテレビでスイーツ特集をしていたらしい。
そこで紹介されていたのが『ストロベリーケーキ』というお店。
ネットで調べてみると、一番の人気はホイップクリームたっぷりのパンケーキ。
イチゴやバナナ、ブルーベリーなどのフルーツをトッピングした『ミックスフルーツパンケーキ』がお店の看板メニューで、パンケーキの他にもワッフルやクレープなども取り扱っている。
「うーん、これは確かに美味しそう」
漣里くんが深森食堂に来てから、三日後の夜。
お風呂上りの私は自室のベッドに寝転がり、スマホで『ストロベリーケーキ』のメニュー写真を見ていた。
それにしても、ちょっと意外だ。
漣里くんが大の甘党だったなんて。
いかにもコーヒーをブラックで飲みそうなイメージなのに、実際はたっぷりのミルクに砂糖を最低二杯は入れないと飲めないらしい。
私はくすくす笑い、スマホの画面をスライドさせながらパジャマに包まれた足を軽く上下させた。
ネット画面を閉じて、ラインの画面を開く。
ラインの相手は漣里くん。
ライン交換はスイーツを食べに行く約束をしたときに済ませていた。
『こんばんは。確認だけど、明日の午後2時、さくらば公園の噴水の前で大丈夫?』
言葉遣いが変だったり、失礼じゃないことを確かめてから、送信。
スマホを握ったまま返事を待っていると、一分ほど経ってメッセージの受信音が鳴った。
「!」
即座に画面を確認。
『大丈夫。楽しみにしてる』
楽しみにしてる。
その一文が、私の心臓を跳ねさせた。
これは、私も気合を入れなくちゃいけない。
楽しみにしてるっていうなら、間違っても変な格好で行くわけにはいかないよね。
漣里くんは私の恩人だもの。
一緒にいて恥ずかしいと思われるような女子になりたくない。
「……あ、明日、何着ていこう」
私はこの後、服選びに三十分も悩んだ。
ストロベリーケーキは地元の駅から二駅離れた繁華街にある。
そこで私たちは、駅のすぐ隣にあるさくらば公園を待ち合わせ場所にした。
『さくらば』の名前が示す通り、この公園は桜並木が見事で美しい。
春になると遠方からお花見目当ての人がやってきたりもする。
私も春にはお母さんが作ってくれたお弁当を広げて、家族で楽しいひと時を過ごした。
漣里くんたちもお花見はしたのかな?
そんなことを考えながら、緑の葉が青々と茂った桜並木を歩き、左手の腕時計を見る。
現在時刻は、午後一時四十五分。
待ち合わせの十五分前。
よし、余裕。
小さく頷き、辺りを見回す。
アブラゼミの鳴き声で公園は賑やかだ。
茹だるような暑さにも負けず、綺麗に舗装された歩道を数人が歩いている。
友達と談笑している女子グループ、子どもの手を引いて歩いているお父さん。
彼らを横目に見ながら遊具のあるゾーンを抜けて、噴水の前に着いた。
照りつける太陽の日差しを浴びた噴水の縁にはカップルが座っていた。
漣里くんの姿はない。
良かった、少し早めに来て正解だった。
安心しかけたそのとき、噴水の斜め前のベンチに漣里くんが座っているのを発見した。
そこで紹介されていたのが『ストロベリーケーキ』というお店。
ネットで調べてみると、一番の人気はホイップクリームたっぷりのパンケーキ。
イチゴやバナナ、ブルーベリーなどのフルーツをトッピングした『ミックスフルーツパンケーキ』がお店の看板メニューで、パンケーキの他にもワッフルやクレープなども取り扱っている。
「うーん、これは確かに美味しそう」
漣里くんが深森食堂に来てから、三日後の夜。
お風呂上りの私は自室のベッドに寝転がり、スマホで『ストロベリーケーキ』のメニュー写真を見ていた。
それにしても、ちょっと意外だ。
漣里くんが大の甘党だったなんて。
いかにもコーヒーをブラックで飲みそうなイメージなのに、実際はたっぷりのミルクに砂糖を最低二杯は入れないと飲めないらしい。
私はくすくす笑い、スマホの画面をスライドさせながらパジャマに包まれた足を軽く上下させた。
ネット画面を閉じて、ラインの画面を開く。
ラインの相手は漣里くん。
ライン交換はスイーツを食べに行く約束をしたときに済ませていた。
『こんばんは。確認だけど、明日の午後2時、さくらば公園の噴水の前で大丈夫?』
言葉遣いが変だったり、失礼じゃないことを確かめてから、送信。
スマホを握ったまま返事を待っていると、一分ほど経ってメッセージの受信音が鳴った。
「!」
即座に画面を確認。
『大丈夫。楽しみにしてる』
楽しみにしてる。
その一文が、私の心臓を跳ねさせた。
これは、私も気合を入れなくちゃいけない。
楽しみにしてるっていうなら、間違っても変な格好で行くわけにはいかないよね。
漣里くんは私の恩人だもの。
一緒にいて恥ずかしいと思われるような女子になりたくない。
「……あ、明日、何着ていこう」
私はこの後、服選びに三十分も悩んだ。
ストロベリーケーキは地元の駅から二駅離れた繁華街にある。
そこで私たちは、駅のすぐ隣にあるさくらば公園を待ち合わせ場所にした。
『さくらば』の名前が示す通り、この公園は桜並木が見事で美しい。
春になると遠方からお花見目当ての人がやってきたりもする。
私も春にはお母さんが作ってくれたお弁当を広げて、家族で楽しいひと時を過ごした。
漣里くんたちもお花見はしたのかな?
そんなことを考えながら、緑の葉が青々と茂った桜並木を歩き、左手の腕時計を見る。
現在時刻は、午後一時四十五分。
待ち合わせの十五分前。
よし、余裕。
小さく頷き、辺りを見回す。
アブラゼミの鳴き声で公園は賑やかだ。
茹だるような暑さにも負けず、綺麗に舗装された歩道を数人が歩いている。
友達と談笑している女子グループ、子どもの手を引いて歩いているお父さん。
彼らを横目に見ながら遊具のあるゾーンを抜けて、噴水の前に着いた。
照りつける太陽の日差しを浴びた噴水の縁にはカップルが座っていた。
漣里くんの姿はない。
良かった、少し早めに来て正解だった。
安心しかけたそのとき、噴水の斜め前のベンチに漣里くんが座っているのを発見した。