**無職3週目(9月15日〜9月21日)**
心太朗はついに小説を書くことに決めた。昨夜は4時半寝、10時半起床。睡眠時間的には完全にアウトだが、やる気は満々。これぞ無職の特権だ!テーマは「人生の真ん中に家族との思い出」。相変わらず頭の中はお花畑だ。朝からぼーっとしながらコーヒーを飲み、妊娠中の妻・澄麗と共に過ごす。これは幸せなのか、それともただのぐうたらなのか…。
目が覚めたら神社へ行き、その後図書館へ。図書館で借りた本は以下の三冊。
- **『実践 小説教室 伝える、揺さぶる基本メソッド』** 根本昌夫著
- **『1%の努力』** ひろゆき著
- **『思い立ったら隠居 週休5日の快適生活』** 大原扁理著
ラインナップから完全にサボる気満々な心太朗は、『実践 小説教室 伝える、揺さぶる基本メソッド』とノートを広げて、いざ作品作りに挑む。プロットやあらすじ、登場人物を考えるも、自分の想像力がどれほど貧弱かを実感する。そして、頑張るぞ!と気合を入れる。
**作成した内容はこんな感じ。**
- **起 現状の把握**
- 安川心太朗、39歳。妊娠中の妻と生活を共にしているが、フリーランスを目指すも具体的な道筋は見えない。過去のイタリアンレストランでの経験やバンド活動の挫折を思い返すと、自己評価がめちゃくちゃ低い。これで大丈夫なのか?と思いつつ、SNSでフォロワーに挑戦をシェアし、フィードバックをもらう決意を固める。
- **結 未来への展望**
- 月収30万を達成してフリーランスとして成功を実感し、家族との絆が深まる。自己成長を続ける決意を新たにする、という壮大な夢を描いているが、果たしてどこまで実現するのか疑問が残る。物語の最後には次の目標や夢に向かって進む姿を描き、希望を持たせるエンディングを目指す。
自分の欲望に素直な心太朗は、最近学んだマーケティングの知識も取り入れ、なんだか偉そうに「心理的ベネフィット」なんて言ってみる。ベネフィットとは読後の読者の感情をイメージして表したものだ。ベネフィットをイメージする事でどんな作品にするかを考える。リストアップしてみると、次のようなものが浮かび上がる。
- 人間らしい感覚を取り戻せた
- 生きる希望が湧いた
- 正常な感情を取り戻せた
- 好きなだけ眠れて休めた
- 元気になれた
- 家族の大切さを知れた
- 優しくなれた
- 友人と会えた
- 選択肢が増えた
- 本音を言えるようになった
- 独りじゃないと自覚した
- 勇気をもらえた
- 安心できた
- 新しい考えが生まれた
- 自分の価値観を知れた
- 笑えた
- 感動できた
ターゲットは「ブラック企業で働く仕事を辞めたい人」だ。こういう人は果たしてどれほどいるのか…。心太朗はまさにその代表選手の一人。
読者との距離が近い、日記型小説であることが彼の差別化ポイントだ。承認欲求、これでもかというくらい詰め込まれている。
その後、心太朗はスマホをいじりながらAIとチャットし、プロローグを書く作業に挑戦する。しかし、AIがなかなか言うことを聞かない。試行錯誤の末、やっとプロローグを書き終えた。「これはなかなかいい出来だ」と自画自賛しつつも、実際はどうなのか、心の中では疑問が渦巻く。
書けたら早く公開したくなるのが人情。以前、趣味で小説を公開していた「ノベマ!」に載せることに決めた。あらすじや表紙を作成しなければならないが、もちろんAIを使ってズボラに仕上げる。これが最新技術に頼る人間の姿だ!明日はX(旧Twitter)で宣伝するつもりだが、果たしてどれだけの反応があるのやら。
心太朗は、自分の挑戦をより多くの人に伝えたいと考え、新たな一歩を踏み出すのであった。この挑戦が実を結ぶのかどうか、心太朗だけが期待を寄せる。
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