そこに映っていたのは衝撃的な映像だった。
真っ暗な画面の中で、「いや! やめて!」と泣き叫ぶ女の子の声が響き、男の笑い声が聞こえる。
それだけでゾッとしてパソコン画面の前で身体が硬直してしまうけれど、カメラのアングルが定まり、ガラの悪い男が二人、寝室のような場所で嫌がる女の子の服を剥ぎ取っている場面が映った。
すぐに場面は切り替わり、さっきの一人で大柄な強面の男がさっきとは別の若い女の子にペットボトルを見せている。女の子は明らかにラリっているおかしな状態で、そのペットボトルを欲しがっている。
「これがないと、おまえはこの先、生きていけないなぁ、可哀想に」
そう言いながら、女の子に向かってニヤニヤ笑いながら男がペットボトルをチラつかせる。
また場面は変わり、少し遠めのアングルで松村らしい男が髪の長い女の子を連れて玄関のような場所から現れた。
そして、緊張気味の女の子に紳士的な態度で案内する松村は、カメラを撮っている場所にやってきた。
「みんな、新しい仲間だ。仲良くしてやれよ」
そこには複数の女の子がいるリビングのような場所らしい。
「リサ、飲み物を」
「はあい」
リサと呼ばれた女の子のうしろ姿が映り、キッチンへ消えていく。
「じゃ、今後の仕事のことを話すから、ここで待っていて」
松村は微笑むと、新人という女の子を残して去って行った。
「よ、よろしく」
首から下のアングルで顔は映っていないけど、長い黒髪の清楚な服装の女の子だ。
「あたし、リサ。これ、戻ってくるまでに飲んじゃって」
ペットボトルを差し出すリサに素直にうなずく女の子。
「ありがとう。喉が渇いていたの」
「でしょうね。暑いもんね」
リサとは違う女の子も彼女に友好的に話しかける。
すっかり安心した女の子は喉を鳴らしてペットボトルの飲み物を飲んでいる。
「運が悪いねぇ、あんたも」
リサがつぶやき、女の子が不思議そうな顔をしている。
「あたしもだけどさ」
寂しそうな口調でリサが行った時、はじめに映ったガラの悪い二人の男たちが勢いよく部屋に入ってきた。
「ドリンクは飲んだな」
「ハハッ。飼い犬が増えたってわけだ。さて、仕事の話をしようか」
二人はソファに座る女の子の両脇に座った。
「な、なんですか?」
気が強そうに言う女の子に、男たちが笑いながら言った。
「今の飲み物、美味かったろ? 覚せい剤入りの特製ドリンクだ」
「大丈夫、集中力が出て美容にもいいんだぜ。中毒性もあるけどなぁ」
「ハハハハッ」
女の子が驚いてペットボトルを床に落とした。
そして、「帰ります!」と立ち上がろうとしたけど、男たちに肩をつかまれて座らされる。
「残念だな。逃げられると思うな」