その手紙を冴子さんから受け取ったのは、彩葉が亡くなり、四十九日が終わったころのことだった。
 手紙と一緒に添えられていたのは、プリントアウトした大量の原稿だった。
 何度も修正したのだろう、美しい文章だった。なんに対しても意欲のない少年と、余命を言い渡された少女が織りなす、淡い恋の物語だった。
 最後のページには、小さな付箋が貼られていた。

〈ラストシーンまで書き終わんなかったよー! どうか、浅見くんの好きなラストを書いてください〉