以前、燈真君とこの部屋で卒業アルバムを見た時に、アルバムを開いた瞬間に落ちた写真。
今度は注意してそっとアルバムを開き、写真を取り出す。
大人になった事と、メイクのせいでパッと見わからないけれど、高校の時の写真と今の画像を並べてみると同一人物だってハッキリとわかる。
私は卒業アルバムを開いて、写真の彼女を探した。
「えっ?」
高校3年生は七海とは違うクラスだったけれど、写真の彼女は確かに在籍していた。
しかも驚く事に、神崎マリエと名前が書かれている個人写真には赤いペンで×マークが付けられている。
「七海……まさか、高校時代の友人に……?」
写真を外したのがどの時期でどういう理由なのかはわからない。
だけど、コルクボードに貼るほど仲の良かった友人との写真を外して、アルバムに収納するわけでもなく、こんな風にアルバムに挟んで放置した上、卒業アルバムの個人写真に×マークを付けるなんて、何もなかったって思えるわけがない。
スマホを手にして、私は燈真君に伝えようとメッセージアプリを開いた。
……だけど、すぐに思い直してスマホを置く。
『馴れ馴れしく同級生面してきても、誰ひとりとして許さない。奴らは忘れてるだろうけど、俺と七海がやられた事を俺は忘れてない。できる事なら、この世から抹殺したいくらい』
あの日に言った燈真君の言葉が頭の中で響く。
ダメだ、彼に連絡したらありとあらゆる手を使ってでも、神崎マリエに復讐しそうだ。
燈真君にはすべてが終わってから報告しよう。
自分の立場を考えずに動いても困るし、何より本当に七海のためならこの世から消しそうな気がするから。
私は七海と神崎マリエの写真を一枚手にして、後は元のように卒業アルバムに挟んでそっと閉じた。
本棚にアルバムを戻し、ガラス戸を閉める。
手帳に写真を挟んでから、私はタブレットの方へ目を向けた。
パスワードに『ドリプリ』と打ってみたけれど、パスワードが違いますという表示が出てしまった。
『ドリームプリンス』や『藤代奏多』『青柳燈真』『白鳥透真』と思いつく限りのドリプリ関連のワードを打ってみたけれど、どれも違っていた。
自惚れではあるが、一応『黒澤柚乃』と打ってみたけれど、予想通り、パスワードが違いますと表示される。
流石に、私の名前じゃないってわかってはいたけど、物は試しにと思ったのだ。
いよいよ、彼氏の名前という可能性が濃くなってきた気がする。
時計を見ると、14時43分。
七海の実家からスノーライツ出版までは1時間ほどかかる。
ノートパソコンとタブレット、それぞれ電源を落として、私は二つともパソコンケースに入れた。
今度は注意してそっとアルバムを開き、写真を取り出す。
大人になった事と、メイクのせいでパッと見わからないけれど、高校の時の写真と今の画像を並べてみると同一人物だってハッキリとわかる。
私は卒業アルバムを開いて、写真の彼女を探した。
「えっ?」
高校3年生は七海とは違うクラスだったけれど、写真の彼女は確かに在籍していた。
しかも驚く事に、神崎マリエと名前が書かれている個人写真には赤いペンで×マークが付けられている。
「七海……まさか、高校時代の友人に……?」
写真を外したのがどの時期でどういう理由なのかはわからない。
だけど、コルクボードに貼るほど仲の良かった友人との写真を外して、アルバムに収納するわけでもなく、こんな風にアルバムに挟んで放置した上、卒業アルバムの個人写真に×マークを付けるなんて、何もなかったって思えるわけがない。
スマホを手にして、私は燈真君に伝えようとメッセージアプリを開いた。
……だけど、すぐに思い直してスマホを置く。
『馴れ馴れしく同級生面してきても、誰ひとりとして許さない。奴らは忘れてるだろうけど、俺と七海がやられた事を俺は忘れてない。できる事なら、この世から抹殺したいくらい』
あの日に言った燈真君の言葉が頭の中で響く。
ダメだ、彼に連絡したらありとあらゆる手を使ってでも、神崎マリエに復讐しそうだ。
燈真君にはすべてが終わってから報告しよう。
自分の立場を考えずに動いても困るし、何より本当に七海のためならこの世から消しそうな気がするから。
私は七海と神崎マリエの写真を一枚手にして、後は元のように卒業アルバムに挟んでそっと閉じた。
本棚にアルバムを戻し、ガラス戸を閉める。
手帳に写真を挟んでから、私はタブレットの方へ目を向けた。
パスワードに『ドリプリ』と打ってみたけれど、パスワードが違いますという表示が出てしまった。
『ドリームプリンス』や『藤代奏多』『青柳燈真』『白鳥透真』と思いつく限りのドリプリ関連のワードを打ってみたけれど、どれも違っていた。
自惚れではあるが、一応『黒澤柚乃』と打ってみたけれど、予想通り、パスワードが違いますと表示される。
流石に、私の名前じゃないってわかってはいたけど、物は試しにと思ったのだ。
いよいよ、彼氏の名前という可能性が濃くなってきた気がする。
時計を見ると、14時43分。
七海の実家からスノーライツ出版までは1時間ほどかかる。
ノートパソコンとタブレット、それぞれ電源を落として、私は二つともパソコンケースに入れた。