相談したら、「そんな物は自分で考えろ」と突き返されてる人をたくさん見てきた。

自分で考えても壁にぶち当たって、行き詰ったから相談してるのにってはたから見ていて思う事はたくさんある。

人に求めても無駄なら、最初から悩んで悩んで悩みぬいて最善の答えを探し出すしかないという結論に至った。

人に頼るのを諦めてしまっていたのかもしれない。

社会に出る前にすべて。

そんな時に七海と出会って、そんな事を言われたもんだから、かなりの衝撃だった。

世の中にはちゃんと受け止めてくれる人がいる。

受け止めてくれるだけでなく、更に一緒に悩んでくれて乗り越えてくれる心強い存在だった。

依存をしていたわけではない。

壁にぶち当たって途方に暮れて、悩み苦しんで答えが出ない日があったとしても、七海がそばにいてくれればそれだけで心が軽くなったのだ。

これからも、それが続いていくのが当たり前だって思っていたから、まさか七海がいなくなるいう未来なんか想像していなかった。


「柚乃……?」


気付けば目の前の綾音先輩はひどく心配そうな表情で。

私の両目からは温かいものが次から次へと流れ落ちていた。