だって、アリーナ席一番前のかなりの特等席だったから、もうこれ以上の幸せはないっていうくらい、テンション上がっちゃったんだもん。

燈真君からファンサービスすごいもらえたって、七海にどれだけ興奮気味に話したか……。

思い返すとものすごい恥ずかしい。

まさか、七海が燈真君の幼馴染だったなんて、思わなかったから……。


「ステージから見えたから知ってる。七海に、一緒に来た友だちすごいなって後から電話したら、熱狂的ファンだよって返されたしな」

「……見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ありませんでした」

「あれはなかなか忘れられないな」


今すぐ記憶から消して欲しい。


「……でも、いつだって七海が柚乃ちゃんの事を話す時は楽しそうだったよ。だから聞いてる俺も楽しかったし、勝手に柚乃ちゃんの友だちと思えるくらいだった」

「……そっか」


私の知らないところで、そんな風に七海が話してくれていたのは素直に嬉しい。