「青柳さん」

「燈真でいいよ、柚乃ちゃん」

「……私、七海とは違う出版社勤務ですけど、一応、ファッション誌の部署にいるんです。もしかしたら今後、ドリプリの特集を担当する事になるかもしれないので、そこまで親し気な呼び方は……」

「真面目すぎない?七海から聞いていた印象と全く違うんだけど」

「友だちと初対面じゃ普通だと思いますけど」

「うーん、一理あるかも。じゃあ、友だちに昇格するまで頑張るかー」


この人、本気で自分を守る気あるのだろうか。

……七海の幼馴染って、優しくてお人好しで涙もろいところあるけど、何事にも一生懸命っていう人じゃなかったっけ?

青柳さんからは微塵も感じないんですけど。


「……話を戻しますけど、青柳さんは七海とどのくらいの頻度でやり取りしてました?」

「七海とは週に何度かメッセージでやり取りしてたよ。俺が実家に帰ってくるタイミングで七海も実家に帰ってきたりして、その時に会ってたかな。あー、この前の東京公演のチケットも俺が七海にあげたんだよ」

「そうだったんですか?!……すみません。幼馴染にあげたのに、彼女よりテンション高くライブに参戦しちゃいました」


私が言うと、アハハと青柳さんは声をたてて笑った。