「じゃあ、せっかくなんで敬語辞めません?俺もタメ口で話すし、燈真って呼んでくれていいから。同い年でしょ?」

「同い年ですけど、さすがにタメ口というのはちょっと……」

「いいじゃん。七海からめちゃくちゃ話を聞いてたから、あんまり初めて会ったっていう感覚じゃないし、七海の友だちは俺の友だちっていう事で、徐々に慣れていってよ」


どういう理論ですか。

そういう風に人の懐に飛び込むのが上手いのは、国民的アイドルだからなのかな……。

とりあえず、深く考えるのはやめよう。


「……で、本題なんだけど。おじさんとおばさんからは、七海の話を聞いたよ。でも、彼女の一番近くにいた、親友のあなたから七海の話を聞きたくて。……最近の七海の話を俺に直接話してもらえない?」


最近の七海の話って……青柳さんはどのくらいのペースで七海と連絡を取り合っていたのだろう?

毛布に包まり、小さく縮こまりながら流れる景色を眺める。