「燈真君、私が送るから……」

「大丈夫です。おじさんもおばさんも、しっかり体を休めてください。……柚乃ちゃん、家どこですか?」

「あ、えっと、通っていた大学の近くです……」

「それなら俺の家の方向だ。って事で、おじさん、おばさん、近いうちにまた来ますので」


青柳さんはこの家に来てから5分もたっていない。

ただ、いつもの事のようで、おじさんもおばさんも特に気にした様子はなかった。


「燈真君も体に気を付けて。柚乃ちゃんをよろしく頼むよ」

「任せてください。俺の運転はメンバーからも定評あるんで、大丈夫です」

「あの、バタバタして申し訳ありません。また来ます」

「こちらこそごめんなさいね。いつもいつもありがとう。柚乃ちゃんも体に気を付けてね」


玄関先で頭を下げる。

青柳さんは帽子を再びかぶり、眼鏡をかけて先に玄関を出て行った。


「おじさん、おばさん。七海の幼馴染が青柳さんだった事は口が裂けても言わないので、安心してくださいね」


私がそう言うと、二人は驚いた表情になる。


「……柚乃ちゃん。私たちは何も心配してないよ。君がそういう子だってわかってるから」

「七海が隠していた事は知らなかったけれど、ごめんなさいね」