ただ、あまりもったいぶるような物でもないので、別に今質問してしまってもいいような気もしてきた。
けれど、不愉快な思いをさせる可能性もある。
北海道公演初日に参戦するドリプリファンの方、ごめんなさい。
青柳さんの調子が悪かったら私のせいです。
私は一度スマホを離して、深呼吸をする。
「今からお聞きする事で不快な思いをさせたら申し訳ございません。どうしても仮説のひとつひとつを潰していきたいがための質問となりますので、ご了承ください」
『……わかってる。ってか、言葉硬いって……』
「周りに誰もいないですが、職場なのですみません」
電話の向こうの青柳さんの失笑が聞こえてきたけれど、癖というものはそう簡単に直るものではない。
『まあいいや。……で、聞きたい事って?』
「……七海に、メンバーの藤代さんを……紹介した事ありますか?」
私の心臓はうるさいくらいにドクドクと鳴り響いていた。
スマホを持つ手が震えてくる。
『……は?それ、どういう意味?』
さっきまでの声のトーンが低くなった。
明らかに不快な思いをしている証拠だ。
「……仮説をたてたんです。七海の彼が今まで誰なのかわからなかったのは、大っぴらに公表できない相手だったからじゃないかって。写真がないのも、七海の部屋に出入りした形跡がないのも……相手が藤代さんなら納得できるんです。……状況的可能性でしかないですが、可能性は早く潰しておきたくて。だから、失礼を承知で……」
『言いたい事はわかった。……とりあえず、違うって答えを出しておく』
淡々と返してくる青柳さん。
否定はしているが、あまりに淡々としすぎているので逆に怖さすら感じる。
『色々説明したいけど、タイムアップだから、夜連絡する。都合のいい時間を入れといて』
「わかりました。それと……私の推してるアイドル青柳燈真は、どんな事があったとしてもそれを一切言い訳にせず、ファンを心配させる事のないアイドルです。……覚えておいてください」
初日に失敗した理由を私のせいにされたくなかったわけじゃない。
けれど、不愉快な思いをさせる可能性もある。
北海道公演初日に参戦するドリプリファンの方、ごめんなさい。
青柳さんの調子が悪かったら私のせいです。
私は一度スマホを離して、深呼吸をする。
「今からお聞きする事で不快な思いをさせたら申し訳ございません。どうしても仮説のひとつひとつを潰していきたいがための質問となりますので、ご了承ください」
『……わかってる。ってか、言葉硬いって……』
「周りに誰もいないですが、職場なのですみません」
電話の向こうの青柳さんの失笑が聞こえてきたけれど、癖というものはそう簡単に直るものではない。
『まあいいや。……で、聞きたい事って?』
「……七海に、メンバーの藤代さんを……紹介した事ありますか?」
私の心臓はうるさいくらいにドクドクと鳴り響いていた。
スマホを持つ手が震えてくる。
『……は?それ、どういう意味?』
さっきまでの声のトーンが低くなった。
明らかに不快な思いをしている証拠だ。
「……仮説をたてたんです。七海の彼が今まで誰なのかわからなかったのは、大っぴらに公表できない相手だったからじゃないかって。写真がないのも、七海の部屋に出入りした形跡がないのも……相手が藤代さんなら納得できるんです。……状況的可能性でしかないですが、可能性は早く潰しておきたくて。だから、失礼を承知で……」
『言いたい事はわかった。……とりあえず、違うって答えを出しておく』
淡々と返してくる青柳さん。
否定はしているが、あまりに淡々としすぎているので逆に怖さすら感じる。
『色々説明したいけど、タイムアップだから、夜連絡する。都合のいい時間を入れといて』
「わかりました。それと……私の推してるアイドル青柳燈真は、どんな事があったとしてもそれを一切言い訳にせず、ファンを心配させる事のないアイドルです。……覚えておいてください」
初日に失敗した理由を私のせいにされたくなかったわけじゃない。