なんか、気まずい感じになってしまい、すぐにでも退散すべきかも……。


「あの、ごめんなさい。私はこれで失礼しますので、ごゆっくり……」

「あら、柚乃ちゃん、帰っちゃうの?今、紅茶入れたから飲んでって?」

「いえ、でも……もう遅いので……」


おばさんはそう言うけれど、そこの彼の視線が怖いんですけど……。

私は彼に頭を下げて立ち去ろうとした。


「柚乃ちゃん?……もしかして、七海と一緒にドリプリのライブに来てくれた……柚乃ちゃん?」

「……えっ?」


そんな話を、七海から聞いてたの?

……この人、もしかして……七海の幼馴染?


「初めまして。俺、七海の幼馴染で、柚乃ちゃんの話はよく聞いていました」


さっきまであった私への不信なオーラが嘘のように消え、彼は帽子を取りながら頭を下げた。

……あれ?

この人、どこかで見た事あるような……?