スマホを手にすると、私はメッセージアプリを起動させる。
スクロールして青柳さんの連絡先を探し、タップした。
青柳さんとの会話はそう多くない。
連絡先を交換した日から、彼はツアーで訪れた地の写真を送ってくる。
どう反応していいのかわからず、私はいつも、『体調にお気を付けください』で返している。
ちなみに、今回の北海道の写真はまだ送られてきていない。
『お聞きしたい事があります。夜、都合のいい時間帯を教えてください』
思えば、私からメッセージを入れるのは初めての事である。
いくら連絡先を交換したとはいえ、友人関係で交換したわけではない。
何かわかったら連絡して欲しいと言われただけだ。
だからこそ、青柳さんが写真を送ってくるのは謎すぎる。
SNSに載せる用の写真のおすそわけかと思う事にはしているけれど。
仕事に戻ろうと立ち上がったところで、スマホがブーッと震え出す。
画面には青柳さんからの着信が表示されていた。
夜、都合のいい時間帯を教えてくださいって言ったのに、何で電話……。
通話ボタンを押す前に一度周りを見回し、あまり人がいない事を確認する。
とりあえず通話しても迷惑になりそうにないため、通話ボタンをタップした。
「はい、黒澤です」
『柚乃ちゃんからメッセージくれるの珍しいから、何かわかったのかと思って。どうしたの?』
「あ、いえ、私は仕事中なので、夜にお話したいのですが……」
『俺はこれから衣装に着替えるとこ。気になるから今、聞きたいんだけど』
「いや、でも……何かわかったわけでなく、私がお聞きしたい事があるだけなので……」
『気になって北海道公演初日、うわの空で失敗したら柚乃ちゃんのせいだから』
「いや、そんなこと言われましても……」
無茶苦茶な言い分に困り、イラっとするが、ここは職場だし、国民的アイドル相手にブチ切れるわけにはいかない。
スクロールして青柳さんの連絡先を探し、タップした。
青柳さんとの会話はそう多くない。
連絡先を交換した日から、彼はツアーで訪れた地の写真を送ってくる。
どう反応していいのかわからず、私はいつも、『体調にお気を付けください』で返している。
ちなみに、今回の北海道の写真はまだ送られてきていない。
『お聞きしたい事があります。夜、都合のいい時間帯を教えてください』
思えば、私からメッセージを入れるのは初めての事である。
いくら連絡先を交換したとはいえ、友人関係で交換したわけではない。
何かわかったら連絡して欲しいと言われただけだ。
だからこそ、青柳さんが写真を送ってくるのは謎すぎる。
SNSに載せる用の写真のおすそわけかと思う事にはしているけれど。
仕事に戻ろうと立ち上がったところで、スマホがブーッと震え出す。
画面には青柳さんからの着信が表示されていた。
夜、都合のいい時間帯を教えてくださいって言ったのに、何で電話……。
通話ボタンを押す前に一度周りを見回し、あまり人がいない事を確認する。
とりあえず通話しても迷惑になりそうにないため、通話ボタンをタップした。
「はい、黒澤です」
『柚乃ちゃんからメッセージくれるの珍しいから、何かわかったのかと思って。どうしたの?』
「あ、いえ、私は仕事中なので、夜にお話したいのですが……」
『俺はこれから衣装に着替えるとこ。気になるから今、聞きたいんだけど』
「いや、でも……何かわかったわけでなく、私がお聞きしたい事があるだけなので……」
『気になって北海道公演初日、うわの空で失敗したら柚乃ちゃんのせいだから』
「いや、そんなこと言われましても……」
無茶苦茶な言い分に困り、イラっとするが、ここは職場だし、国民的アイドル相手にブチ切れるわけにはいかない。