呆れられてしまっただろうか。
もう少し、ずうずうしく生きるべきなんだろうなって、後からいつも悔やむ。
こんな事になるのなら、七海に写真を見せてもらえばよかった。
「まあ、いくら後悔をしても時間は戻らないから仕方ないとして。七海ちゃんに彼氏がいた事は確実なのよね?」
「それは絶対そうです。だって、普段見せない可愛い顔をしながらいつも惚気てたし……」
「とりあえず仮説として、いくつか挙げてもいい?」
右のこめかみを指で押しながら、綾音先輩が聞いてきた。
こんな短時間でいくつも仮説を出してくれるとは……。
どんな仮説をたててくれるのか、期待しながら私はコクコクと数回頷いた。
「まずひとつ目。相手が既婚者だったパターン」
「……えっ?」
「仮説だからね?そんな怖い顔しないでよ」
「あ、すみません……」
ひとつ目からとんでもない仮説が飛び出して、思わず私はムッとした表情になってしまった。
「ずっと裏切られてた……というのは、既婚者だと知らずに付き合ってたとか。プロポーズされたって言ったようだけど、指輪は見せてもらってないんでしょう?」
「指輪は見せてもらってないです。プロポーズされたって報告されただけで、指輪をもらったっていうのも聞いてないです」
「プロポーズされたっていう報告なら、同時にその証拠である指輪も見せてくれると思うんだよね。だから、プロポーズされた……というよりは、結婚しようねーみたいな口約束だったんじゃないのかな?」
綾音先輩の言葉には説得力がある。
確かに、指輪の事は何も見ていないし聞いてもいない。
七海の部屋からも、指輪のケースとか包みとかは見つからなかった。
「そのうち結婚しようという意味で彼氏は言ったけれど、七海ちゃんはその気になっちゃって、柚乃に報告。それで、柚乃と別れて家に戻った後、彼と電話して奥さんがいた事を知った……とか?」
「確かに仮説としての筋は通ってますが、七海は口約束をプロポーズされたっていう脳内お花畑になるような子じゃないです」
もう少し、ずうずうしく生きるべきなんだろうなって、後からいつも悔やむ。
こんな事になるのなら、七海に写真を見せてもらえばよかった。
「まあ、いくら後悔をしても時間は戻らないから仕方ないとして。七海ちゃんに彼氏がいた事は確実なのよね?」
「それは絶対そうです。だって、普段見せない可愛い顔をしながらいつも惚気てたし……」
「とりあえず仮説として、いくつか挙げてもいい?」
右のこめかみを指で押しながら、綾音先輩が聞いてきた。
こんな短時間でいくつも仮説を出してくれるとは……。
どんな仮説をたててくれるのか、期待しながら私はコクコクと数回頷いた。
「まずひとつ目。相手が既婚者だったパターン」
「……えっ?」
「仮説だからね?そんな怖い顔しないでよ」
「あ、すみません……」
ひとつ目からとんでもない仮説が飛び出して、思わず私はムッとした表情になってしまった。
「ずっと裏切られてた……というのは、既婚者だと知らずに付き合ってたとか。プロポーズされたって言ったようだけど、指輪は見せてもらってないんでしょう?」
「指輪は見せてもらってないです。プロポーズされたって報告されただけで、指輪をもらったっていうのも聞いてないです」
「プロポーズされたっていう報告なら、同時にその証拠である指輪も見せてくれると思うんだよね。だから、プロポーズされた……というよりは、結婚しようねーみたいな口約束だったんじゃないのかな?」
綾音先輩の言葉には説得力がある。
確かに、指輪の事は何も見ていないし聞いてもいない。
七海の部屋からも、指輪のケースとか包みとかは見つからなかった。
「そのうち結婚しようという意味で彼氏は言ったけれど、七海ちゃんはその気になっちゃって、柚乃に報告。それで、柚乃と別れて家に戻った後、彼と電話して奥さんがいた事を知った……とか?」
「確かに仮説としての筋は通ってますが、七海は口約束をプロポーズされたっていう脳内お花畑になるような子じゃないです」