七海が亡くなった日、おばさんはショックで倒れてしまって、おじさんが全ての対応に追われた。

今だって人前で気丈に振舞える程、回復には至っていない。

どうして七海が亡くならなければならなかったのか、おじさんだけでなくおばさんも理由はわからないから、少しでも自分たちで動かなければともがき苦しんでいる状態だった。



田辺さん以外、この葬儀に現れる人はおらず、葬儀は滞りなく終了した。

七海の両親と私の三人だけのひっそりとした葬儀は当たり前だけど静まり返っていて、不謹慎ながらどこか不気味さを感じずにはいられなかった。

骨壺を大事そうに抱えているおばさんを見て、胸が痛かった。

親よりも先に旅立った七海。

七海が両親とどれだけ仲が良かったか知っているから、七海が両親を悲しませるような事をするはずがないって、ずっと自分に言い聞かせている。

両親を悲しませるよりも生きる事の方が苦痛だった物は、一体何だったのか?