これはただ単に、七海を助けられなかったという罪の意識を少しでも軽くしたいだけの行為に思われるかもしれない。

答えが見つかった時、私のせいじゃなかったって安心したいだけなのかもしれない。

どう思われても、今の私にできる事はそれだけだ。

顔を上げると、おじさんが力強く頷いた。


「……何でも協力する。私たちが知らなかった、七海の世界がわかったら、教えて欲しい」

「わかりました……。絶対に突き止めてみせます」


どこまでできるかはわからない。

自己満足だと思われてもいい。

私は、七海の苦しみを受け止め、解放してあげたい。

ふと見ると、パソコンの置いてあるデスクに写真たてが飾られていた。

笑顔の七海と……その隣で笑う私。

この笑顔を守る事ができなかった。

救う事ができなかった……。




七海の割れたスマホを握りしめて、私はギリッと奥歯を嚙み締めた。