『……私、ずっと裏切られてたみたい。……柚乃、今までどうもありがとう……』


そこでメッセージは終わっていた。

ちょっと待って……七海は私に助けを求めてきたのに、私は充電が切れている事にすら気が付かないで、こんな時間までのんきに過ごしていたっていう事……?

力の抜けた手からスマホが滑り落ちるとともに、私も膝から崩れ落ちる。


「柚乃ちゃん!」

「七海が助けを求めてきたのに……気が付かなかった……私が……私が七海を……っ!」


どんなに後悔しても取り返しがつかない。

頭を抱えながらその場に突っ伏した。

おじさんが私の肩を掴むけれど、私は体を震わせて謝罪の言葉を口にする事しかできなかった。

彼女の悲痛な叫びに応えられなかった。

電話をかけてきた時に私が気付いていれば、七海は死なずに済んだかもしれないのに……っ!


「違う、柚乃ちゃんのせいじゃない!悪いのは、七海を裏切った奴だ!」


おじさんの大きな声で体の震えが止まる。