気が合って、何でも話せる親友だと思っていた。

そう思っていたのは、私だけ……?


「実は、柚乃ちゃんにはもっと早く連絡していたんだ。でも、電話が繋がらなくて……」

「あっ!すみません!充電が切れていたみたいで、気が付かなかったんです。充電切れに気付いて、充電を始めて少ししてからおじさんから連絡がきて、慌ててここに来て……」

「じゃあ、七海から何か連絡はきてないか?充電が切れる前に、メッセージとか電話とか……」


おじさんに言われてハッとして、私はスマホを操作すると、不在着信がある事に気付いた。

ドクンと心臓が大きく揺さぶられる。


「……あ、ありましたっ!」


深夜二時過ぎ、七海からの着信だった。

おそらく、七海が電話をかけてきた後にバッテリーが切れてしまったのだろう。

パニックになりながらスマホを操作すると、留守電が残っている事に気付く。

震える指先でタップし、スピーカーにして再生を押した。


『……柚乃?私、もう駄目みたい』


電話をしてきた数時間前、居酒屋で笑い合っていた時の物とは全然違っていて、七海の声は震えていて小さく消えそうだった。

七海のそんな声は一度も聞いた事がなかったから、私はかなり動揺してしまった。